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千鳥・大悟のパンティーと「空気感」の話

文=飲用てれび(いんよう・てれび)

千鳥・大悟のパンティーと「空気感」の話の画像1
『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)TVerより

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(1月9~15日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

大悟「パンティーの次に好きかも」

 美味しいは面白い。11日の『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)を見ていて、そんな印象を受けた。

 千鳥の関東初の冠番組として2014年からレギュラー放送が開始された『いろはに千鳥』。もともとは埼玉近郊の街でのロケが中心のローカル番組だったが、コロナ禍に入った後は吉本興業の東京本社で収録されることが多くなっている。昨年7月からはTVerでの配信も始まり、放送圏外でも視聴可能だ。

 そんな番組の今回の企画は、これまでのロケでお世話になった3つのお店・企業から絶品グルメを取り寄せて食べる、というもの。新年初回のお祝いも兼ねた放送だ。低予算ゆえに1日で8本撮りすることもある同番組。オープニングで「新年あけましておめでとうございます」と言いつつ、今回放送された分は昨年9月某日の7本目の収録である。

 千鳥の前には、これまでロケ先で出会ってきた美味しいものが出てくる。まずはおつまみセット。クリームチーズを使ったおつまみを食べたノブが「うまー!」と叫び、大悟が小躍りしながら「これいっぱいちょうだい」とねだる。ただそれだけ。でも面白い。しらすをせんべいにしたようなおつまみを食べた大悟が、「最初に口に入れたとき、そんなに?と思うやん。そっから(噛んでるうちに)しらすが泳ぎだして、黒胡椒が効きだすんよ」と味覚を繊細に表現したあと、「パンティーの次に好きかも」とオチをつけたりもする。こんなのも当然面白い。

 続いてソーセージ。過去のソース食べ比べ回で2人がその濃い味を絶賛したソース付きだ。大悟がソーセージを口に運び、コメントも出ずにただ笑う。ノブが目を見開く。これもやはり、ただそれだけで見てる側は笑ってしまう。味の濃いソーセージとソースを前に「(コハダには)味がない!」と言い過ぎる大悟がさらに可笑しい。

 最後にうな重。大悟は口に運ぶなり「まだ噛んでないのにうまーい」と天を仰ぐ。ノブは「飯の下にもうなぎ入っとるど!」と大悟に告げる。その大発見! 報告! の感じが面白い。ノブは「うまさの北斗百裂拳だ!」と言って大いにスベり、大悟もやはり童謡「桃太郎」の替え歌で大々的にスベるのだけれど、それもまた面白い。

 もちろん、失礼ボケや下ネタ、スベりボケや例えツッコミなど、手を変え品を変えさまざまな笑いが千鳥からは繰り出されている。そういう意味では“技術”のようなものが詰め込まれているのだろう。ただ、ベースにあるのは、2人が美味しいものを頬張って美味しい美味しいと言い合う、そのさまが見ていて面白い、ということだったように思う。そこをベースにいろいろ遊びが詰め込まれているから、さらに面白くなるというか。

 美味しいは面白い。美味しいと面白いの共感覚。いや、味覚だけではない。テレビを見ていると、千鳥がプリミティブな感覚を笑いに変えるシーンを繰り返し目する。2人がお互いの肌感覚を確認し合いながら“面白い”に変換していくさま。それに見ている側も巻き込まれていく感じ。巻き込まれながら、たとえば美味しいと面白いが感覚の上で渾然一体となっていく感じ。

 千鳥は食べるだけで面白い。変な話だが、そうなのだから仕方ない。

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