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今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識②

『塔の上のラプンツェル』は貧しい農夫の子供だった!?実は残酷な原作を大幅改良

マイルド仕立てに変更も最後はやっぱり残酷…

 原作では、ラプンツェルは貧しい農夫の子供で、ライダーにあたる人物は王子様とい設定だが、本作では立場を逆転させている。これはディズニーアニメの前作『プリンセスと魔法のキス』(2009)が興行的に伸び悩み、

「プリンセスというタイトルだと、男児へのアピールが弱い」

ということで、プリンセスであるラプンツェルよりも男性ヒーローであるライダーを前面に押し出すことにしたのだが、原作のように白馬に乗った王子様が助けにくるなんて、今時じゃない! と思ったかもしれない。ちなみにライダーは、本当に白馬(暴れ馬だけど)に乗って現れるのだ。

 ラプンツェルは長く伸びた髪を利用して昇降機のように使って人を上り下りさせたり、髪を木の枝などに引っ掛けて空中を移動したりするワイヤーアクションを披露する。スーパーファミコンのゲームで『ミッキーのマジカルアドベンチャー』(92)というのがあって、ミッキーマウスがワイヤーを使ってラプンツェルみたいなアクションを使う場面があったけど、それを彷彿とさせるなあ。ひょっとしてゲームのオマージュだったのか(絶対違う)。

 ファミリー映画なので原作の残酷な部分は極力抑えられたが、クライマックスにはえげつない描写が残っていて、単にお子様向けでは終わらせないグレン・キーンのクリエイター魂を感じたね。

 日本のアニメファンにはディズニーを無視しているようなオタクもいるけど、「塔に囚われたプリンセスを泥棒が救い出す」というストーリーって『ルパン三世 カリオストロの城』にも似ているから、オタクも差別しないで観てほしいな!

しばりやトーマス(映画ライター)

関西を中心に活動するフリーの映画面白コメンテイター。どうでもいい時事ネタを収集する企画「地下ニュースグランプリ」主催。

Twitter:@sivariyathomas

しばりやとーます

最終更新:2022/03/26 10:11
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