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蛭子能収と、全然気を使わない有吉弘行の距離感とらしさ「じゃあ渋谷辺りで、夏に」「ありがとう、本当に」

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『有吉クイズ』(テレビ朝日系)公式Twitter(@AriyoshiQuiz)より

 4月12日放送『有吉クイズ』(テレビ朝日系)にて、「有吉と蛭子さん2022春」と銘打たれた企画が行われた。

 なぜ、あのときのロケがこんなに話題になったかというと、病気が明らかになって以来、各局がいっせいに蛭子を起用しなくなったからだ。2020年7月放送『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京)で、蛭子は軽度の認知症と診断された。2020年7月12日放送『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN)で、有吉がこの件について言及している。

「でも、仕事はしたいとおっしゃってたけどね。やっぱりいろいろ文句言う人もいるんだろうけど、ご本人が良ければ復帰して頑張って元気にやってほしいなと思うし。じゃあ、アルツハイマーになったらテレビ出ちゃいけないのか、お仕事しちゃいけないのか、何にもできないのかっていうことになるもんね」(有吉)

 有吉と蛭子といえば、2008~10年に放送されていた『アリケン』(テレビ東京系)の人気企画「アリケンしゃべり場」における口論も伝説。「蛭子さんなんて人間が価値あります!?」「ガロでオナニーしてるでしょ」と悪態をつく有吉に対し、著作『芸能界 蛭子目線』(竹書房)で、蛭子は「いつもの有吉さんと違う。有吉さんが悪キャラになってる」と思っていたこと明かした。2人の関係は、実は古くて長い。

蛭子に「熱湯コマーシャル」の振りを仕掛けた有吉

 昨年の『有吉クイズ』にて、蛭子は「自然の花とかを見ていると楽しいです」と言っていた。だから、今回の待ち合わせ場所は東京・八芳園の庭園に。半年ぶりの再会である。正直、不安もある。かなり症状が進行していたら……という心配がなくはないからだ。

有吉 「蛭子さん、こんにちは」
蛭子 「あ、こんにちは。はじ、どうも、すいませんこちらこそ」

 変わってなくてホッとした。いつもの蛭子さんだ。すごく老けていたら、局も次からのオファーに躊躇するだろうし、見ている側もつらくなる。でも、蛭子は見た目からツヤツヤしていた。少し「はじめまして」と言いそうになっていたけれど、人の良さがフライングしただけだと思いたい。

 何よりホッとしたのは、有吉のことを覚えていたことだ。昨年10月放送『大竹まことのゴールデンラジオ』(文化放送)にゲスト出演した際、大竹を見た蛭子は「ウソでしょ? (大竹とは)ちょっと違うような気がする」という反応だった。だから、ちょっとだけ覚悟していた。テレビやラジオに出ることが、彼にとって1番の進行予防になるはずだ。

スタッフ 「蛭子さん、本当に花とかはお好きですか?」
蛭子   「本当ですよ。花とか、何でも好きです(笑)」
有吉   「本当でしょうね(笑)? 適当なこと言ってるんじゃないかと思って」

 というわけで、庭園を散歩する2人。池に架かる石橋を渡る際、有吉が声をかけた。

有吉 「落ちないでくださいよ? 気を付けて。池には絶対に落ちないでくださいよ? 絶対に池には落ちないでくださいよ?」
蛭子 「押したらダメですよ(笑)!」

 熱湯じゃないんだから。有吉の振りに蛭子がちゃんと反応できている。かつて、蛭子は99年まで放送されていたバラエティ番組『スーパージョッキー』(日本テレビ系)のレギュラーだった。動画サイトを探せば、熱湯をかけられて激昂する蛭子の姿を今も見ることができる。

 そして、気を使わない有吉の接し方がいい。認知症だからといって区別しない、いい距離感だ。『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ系)ではいつも先頭を歩く有吉が、この日は後ろから蛭子をサポートしている。相手が聞き取りやすいよう、いつもより大きめの声でハキハキ喋っている。さりげないところから、彼の優しさも見える。

クズなところも、物覚えの悪さも、蛭子は変わっていなかった

 池で泳ぐ鯉を見ながら、2人の会話は弾んだ。

蛭子 「ここ、スゴいな、鯉」
有吉 「でも蛭子さん、魚は嫌いなんですよね、食べるのは」
蛭子 「食べるの、魚は苦手なんですよ」
有吉 「魚はなんで嫌いなんでしたっけ?」
蛭子 「魚はまず骨があるということと、それから食べても驚くほどの味じゃない」
有吉 「そんなことないですよ(笑)!」

 このあたりの辛辣さは、昔と全然変わっていないようだ。そして、身体的にも変わっていない。石段を登る蛭子の足取りがしっかりしているのだ。

有吉 「あ、全然、足腰もしっかりされてて」
蛭子 「そうなんですよ。歳はとってるけど、意外と歩けるんですよね」

『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)で長距離を歩き、鍛えられた成果だろうか。普段から蛭子はよく歩くそうだ。

「公園があるじゃないですか。しょっちゅう歩いて行ってたんですよ。それで、子どもたちが遊んでる様子を見るのが好きだった。子どもたちが1人か2人コケたりすると、面白いです」(蛭子)

 人の不幸が琴線に触れる、蛭子のクズっぷりは健在。やっぱり全然変わってない。

 さて、八芳園といえば有名なのは盆栽である。

蛭子 「盆栽? 盆栽って、ボンクラがやるような(笑)」
有吉 「やりませんよ、立派な人がやるんですよ。全然、興味ないじゃないですか(笑)。感じませんか、何か? だって、こんな小さなお盆の中に命があるっていう」
蛭子 「可哀想ですね」

 普通に悪口だし、盆栽を見て「可哀想」と感じる発想が蛭子節だ。日本庭園に来て、盆栽が心底どうでも良さそうな蛭子。根本は何も変わってなくて、安心した。

有吉 「植物育てたり、動物育てたりとかはないんですか?」
蛭子 「俺はそれはないですね。なんでか知らないけど、山と海はあんまり好きじゃないです」
有吉 「やっぱり、都会がいいんですか?」
蛭子 「都会がいい。1番、都会がいい。都会でご飯を食って帰るのがすごくいいです」
有吉 「今日、自然が見たいって言うからここ来たんですよ!?」
蛭子 「そんなこと言ったっけなあ……(笑)」
有吉 「言いましたよ! 都合のいいときだけ忘れたふりして(笑)」

「症状のせいで忘れた?」とも思ったが、認知症以前から蛭子は「孫の名前を覚えていない」と堂々と口にする人だった。この物覚えの悪さも、彼の通常運転である。

有吉 「好きな花、ひとつくらいないんですか?」
蛭子 「チューリップみたいなはっきりわかるのが好きです」
有吉 「チューリップ。バラは好きですか? 嫌い?」
蛭子 「嫌いじゃないですよ。なんとも思ってないだけです(笑)」
有吉 「ハッハッハ! だから、花に興味ないんですよね?」
蛭子 「興味ないな(笑)」

 冒頭で「花は好き」と言っていたのに、前言撤回してあっさり自白する蛭子。『バス旅』では旅館より圧倒的にビジネスホテルでの宿泊を好んでいたし、自然より人工的なものを好むのがこの人だった。人も嗜好も昔からまったく変わっていない。

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