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「天心×武尊」戦を見限ったフジの本音、実行委員の怒りと未練…緊急会見から透けてきたもの【会見全文】

5月31日に緊急会見を行った榊原氏ら大会実行委員

 歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。あまりにも有名なカール・マルクスの警句である。

 5月31日の昼下がり、この言葉を想起させるに十分な事態が発生した。フジテレビのウェブサイトと、ツイッターの「フジテレビ THE MATCH 公式」で次のような文書が公開されたのだ。

〈「THE MATCH 2022」についてのお知らせ
 6月19日(日)の「THE MATCH 2022」は、主催者側との契約に至らず、フジテレビで放送しないことが決まりましたので、ここにお知らせいたします。〉

 「THE MATCH 2022」は6月19日、東京ドームで開催される格闘技のビッグイベント。メインイベントでは当代を代表する立ち技格闘技の2大スター、那須川天心と武尊の両雄が激突する。

 「世紀の一戦」と耳目を集める大会とあってファンの間で熾烈なチケット争奪戦が繰り広げられ、早々に売り切れとなった。VVIP1列席は300万円、最も安いA席でも1万5000円という強気の価格設定にもかかわらず、だ。

 大会当日は満員が確実視される上、フジテレビが地上波で生放送することが発表されていた。大会開催まで3週間に迫った時点での放送中止の決定は異例の事態と言っていい。

 大会実行委員の中で実質的な首座を占める人物が榊原信行氏。総合格闘技イベント「RIZIN」の運営に当たるドリームファクトリーワールドワイド(DFWW)の代表取締役であり、国内を代表する格闘技プロモーターの一人だ。

 榊原氏は1990年代から2000年代にかけて隆盛を誇った格闘技イベント「PRIDE」の運営会社ドリームステージエンターテインメント(DSE)でも代表を務めていた。

 PRIDEが人気の絶頂にあった2006年3月、「週刊現代」で一つのシリーズが始まる。「格闘技とテレビ局と暴力団」と題された一連の追及記事。告発したのは格闘技イベント「イノキボンバイエ2003」(猪木祭)のプロデューサーを務めた川又誠矢氏だった。

 NHK「紅白歌合戦」の裏番組として民放3局が格闘技中継で競った2003年大晦日。川又氏は日本テレビと組んだ。

 猪木祭の目玉として、当時PRIDEヘビー級王者だったエメリヤーエンコ・ヒョードルと出場契約を締結。フジテレビ「PRIDE男祭り2003」を手がけていたDSEは「広域暴力団傘下のX組幹部」を使って川又氏を脅しに出たという。

 「週刊現代」のキャンペーンの矛先はフジテレビと暴力団の関係へと次第に向かっていった。第4弾の記事では、川又氏とDSEをつないだ人物として、フジテレビの「Aプロデューサー」が登場している。

 「週刊現代」の記事を契機とし、地上波で放送していたフジテレビがPRIDEとの契約を解除。「重大な契約違反」と「不適切な事象」がその理由だった。

 フジの撤退後、PRIDEは次第にジリ貧状態に追い込まれていく。ついに翌2007年には米国の対抗イベント「UFC」を主催するズッファ社に売却される憂き目を見ることになった。

 「フジテレビショック」と呼ばれるこの一件は格闘技史に今も深く刻印されている。榊原氏本人はもちろん、格闘技ファンにとっても痛恨の事態である。〈「THE MATCH 2022」についてのお知らせ〉の公開は「第二のフジテレビショック」と呼ぶにふさわしいものだった。

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