『ハケンアニメ!』さらに「胸に刺さる」人が増えてほしい、歴史的傑作映画になった理由
#吉岡里帆 #ヒナタカ
豪華キャストの演技、演出や音楽に至るまで、褒めるところしかない

前述した難点はごくささいなこと、他にも褒めるところをあげればキリがないほどに、『ハケンアニメ!』はエンターテインメントとしての面白さに満ち満ちているし、アニメの素晴らしさをストレートかつ全力で提示した歴史的傑作だと思うばかりだ。それは、前述した劇中アニメだけでなく、実写でも最強レベルのスタッフとキャストが集結したおかげでもある。
何しろ、豪華キャスト陣のハマりぶりは、本作を観た人の多くが賞賛すること。天才肌の変人だが胸には熱いものを秘めている中村倫也、愚直なまでに仕事に没頭する女性新人監督役の吉岡里帆の2人はもちろん、柄本佑、尾野真千子、工藤阿須加、小野花梨、古館寛治、前野朋哉など、それぞれがクセが強いが「こういう人いるいる」と思えるリアルな人物をこれ以上なく好演されている。
さらには『水曜日が消えた』(2020)でも中村倫也とタッグを組んでいた吉野耕平監督の、抑えるところは抑えて俳優の演技を丹念に映しながら、CGを駆使した派手で凝った演出はグイグイと画面に惹きつける力がある。政池洋佑氏による、原作小説をタイトに再構成しながらも、さまざまな伏線をテクニカルに回収していく脚本は、2度観るとさらにその緻密さに驚かされるものになっていた。
さらに、池頼広の音楽も抑えたトーンだからこそ、アニメの膨大かつ地道な作業そのものを表現しているかのようだった(そのため、本作のサントラを「作業用BGM」として聴くのもおすすめだ)。主題歌の「エクレール」は打って変わってポップでキャッチーなナンバーでありながら、作品のメッセージを凝縮し体現した歌詞は、映画を観ていればより心に染み渡るものになっている。
改めて言おう。アニメが好きな方も、そうでないという人も、優先的に『ハケンアニメ!』を観てほしい。アニメに関わるさまざまな人たちと、とことん作品に向かい続けた2人の監督がたどる結末、特に吉岡里帆演じる女性監督の「あの表情」に、感動を覚える方はきっと多いはず。本作がまさに、もっと多くの、誰かの胸に刺さることを願っている。

『ハケンアニメ!』作品情報
2022年9月28日(水)販売&レンタル開始
製作年:2022年
製作国:日本
メーカー:東映ビデオ
出演者:吉岡里帆、中村倫也、柄本佑、尾野真千子、工藤阿須加、小野花梨、高野麻里佳、前野朋哉、矢柴俊博、新谷真弓、松角洋平、水間ロン、前原滉、古館寛治、徳井優、六角精児、大場美奈
監督:吉野耕平
脚本:政池洋佑
原作者:辻村深月
音楽:池頼広
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