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宮崎駿らから影響を受けた『秘密の森の、その向こう』の「仏実写版ジブリ」的魅力

文=ヒナタカ

宮崎駿らから影響を受けた『秘密の森の、その向こう』の「仏実写版ジブリ」的魅力の画像1
C) 2021 Lilies Films / France 3 Cinéma

 9月23日よりフランス映画『秘密の森の、その向こう』が公開されている。本作は『燃ゆる女の肖像』(2019)が絶賛を浴びたセリーヌ・シアマ監督の最新作だ。

 本作の上映時間は73分という短く、メインの舞台も森の中とそこにある家とごく狭く、主要登場人物はたったの5人と、とにかくミニマムな作品だ。だが、静かに語られる愛おしい物語は、普遍的に多くの人に届くものであり、ラストに深い余韻も与えてくれる。濃密とも言える時間を、映画館で体感してほしいと心から思える秀作に仕上がっていた。

 さらに面白いのは、シアマ監督が宮崎駿監督と細田守監督という、日本のアニメ映画監督から影響を受けていると明言しており、実際の本編でもその「らしさ」を感じられることだった。さらなる魅力を紹介しよう。

『となりのトトロ』や『思い出のマーニー』を連想する理由

 あらすじを記そう。主人公のネリーは8歳の少女。大好きなおばあちゃんが亡くなったため、お母さんが少女時代を過ごしたおばあちゃんの家を片付けることになった。だが、何を見ても思い出に胸をしめつけられるお母さんは、ひとりで出て行ってしまう。残されたネリーは、かつてお母さんが遊んだ森を探検するうちに、自分と同じ年の少女と出会う。彼女の名前は「マリオン」、お母さんと同じ名前だったのだ……。

宮崎駿らから影響を受けた『秘密の森の、その向こう』の「仏実写版ジブリ」的魅力の画像2
C) 2021 Lilies Films / France 3 Cinéma

 もっと端的に言えば「少女が時空を超えて、同い年の頃の母と出会い友情を育む」というファンタジー要素が中心に据えられたドラマである。1人になった少女が森の中で不思議な誰かと出会うことは、それこそ宮崎駿監督の『となりのトトロ』(1998)を連想させる。

 謎めいてはいるが魅力的な少女と、時空を超えて出会い仲良くなっていく過程は、宮崎駿の監督ではないが『思い出のマーニー』(2014)も思い出した。さらに、大切な人が死んでしまった、または死ぬかもしれない悲しみを描きつつ、その「喪失感」に向き合う癒しの物語となっていることも、それらのジブリ作品との共通点になっている。

 また、物語そのものに大きく寄与するわけではないが、主人公の少女を優しく見守る、重要なことを口にする立場であるお父さんとの関係性も、どこか『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』(1989)をほうふつとさせた。観た人それぞれが、宮崎駿監督やジブリ作品らしさを、きっと感じ取れるだろう。

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