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ジャニーズ報道に見る「地上波テレビは衰退する」納得の理由

昨今の、テレビや新聞社などのマスメディアによる、的はずれなジャニーズ報道、ジャニーズバッシングに対して、大きな違和感を抱いている人は少なくないだろう。そうした空気の中で、先日、当サイトが発信した作家・沖田臥竜氏のコラム『ジャニーズの崩壊を嘲笑するかのようなジャーナリズムという傲慢』 は大きな反響を呼んだ。ただし、その後のNGリスト問題報道などをめぐっても、沖田氏がマスメディアに抱く、呆れにも似た憤りは増幅されるばかりだ。ジャニーズに対するメディアの扱い、社会の対応は本当にこのままでいいのだろうか? 賛否はあっていい。ただ、今一度立ち止まって、自分の頭と感性で考えてほしいのだ。

「死人に口無し」状態を作り出した責任はマスメディアにもある

 よかった、次の仕事も世界市場で……。すまない、単なる独り言だ。聞き流してほしい。

 しかし、地上波テレビの絵に描いたような手の平の返し方には恐れいる。冷静になって考えてみろ。NHKがわざわざトップニュースで、ジャニーズの記者会見での「NGリスト」を報じ出すのだぞ。それに追随して、民放各局もこぞって大問題として報道していた。あれはどう考えても、週刊誌の分野。いわゆる週刊誌ネタではなかったか。

 実際に、独占で抜く予定だった「FRIDAY」が一番びっくりしたことだろう。まさか、NHKや民放がニュースでこの話題を取り上げるとは、と。

 もしも間違っていたら申し訳ないのだが、そもそもジャニーズ問題とは、故・ジャニー喜多川氏による性加害に関することではなかったのか。それは、私の認識不足なのか。NGリスト云々に大騒ぎする前に、もっとしっかり調査取材し、議論すべきことがあるのではないか。

 生前、喜多川氏が具体的にどのようなことをしていたか、もちろん私は見たわけではない。被害者の声を間接的に聞いているが、それだけをもって喜多川氏のやったことをすべて知っているとは言えないし、まして、残された人々まで断罪し、タレントやマネージメント、そしてファンなど多くの人々の努力や歴史、想いが詰まったジャニーズという名称や組織まで消滅させようとすることなど、とてもできない。しかし、それを平気でやってのけるマスメディアは、微塵の違和感も抱かなかったのだろうか。そこまでやることに、異を唱えた記者はいないのだろうか。

 だとすれば、どうだろうか。そんな人は記者などすっぱりやめて、望月衣塑子記者のようにYouTubeなどを使って、事をよりスキャンダルに騒ぎ立てるような立場でメディアにかかわってはどうか。少なくとも記者の鉄則である、一方聞いて沙汰するなという言葉を忘れてしまったのなら、大上段に「報道の自由」を掲げて、記者会見に参加する資格などないはずだ。

 ただ、誤解しないでもらいたい。なにも私は喜多川氏を擁護したいのではない。ジャニーズを応援しているだけの、ただの真っ当な物書きだ。日本で生まれ、当たり前の義務教育を受けてきたので、死人に鞭を打つことはヨシとは思えないし、本人の弁を聞かずに、一方の声だけ聞いて、無闇矢鱈にすべてを「まあひどい!」と騒ぎ立てることができない性分なのである。

 素朴な書き手ですまぬ。怒られるかもしれないが、そんな批判などひとつも怖くもないので言わせてもらおう。可能性として考えた場合、一方の当事者のみが告発しているケースにおいて、すべてが喜多川氏には言い分を聞く意味がないと言い切れるほど、まったく同氏が理がないことをしていたと、誰が証明できるのだ。

 そもそも、喜多川氏が罪を犯していたというのなら、刑事告訴をして、捜査機関の力も借りて、シロクロはっきりつけたほうがよかったはずだ。だが、被疑者が死亡している場合は、不起訴となる。時、すでに遅しだ。それゆえ、ジャニーズには、法を超えた被害者救済が求められているわけで、ジャニーズの新体制はそこに寄り添えるように一生懸命にやろうとしているのではないのか。

 このように「死人に口無し」状態が問題を複雑化させている大きな要因だが、そこに加担していたのがマスメディアであることを忘れてはいけない。喜多川氏が生存しているときから、性加害問題の存在を知りながら、当時は、だんまりを決め込んでいた張本人が彼らなのである。

 だが、その自覚がないことは、記者会見に望む姿勢やその報じ方からも見て取れる。

 喜多川氏が亡くなり、経営者はすでに代わっていたのにもかかわらず、なぜ会見に出てきた東山くんや井ノ原くんが、犯罪者のように、あれほど責められなければいけないのだ。私が言っているのではないぞ、世間の言うところの“類を見ない極悪人”というのは、喜多川氏じゃないのか。なぜ、ジャニーズ全体が、犯罪集団のようなに扱われているのだ。

 仮にジャニーズサイドの失態があったとしたならば、考えることを忘れてしまったマスメディアに、真面目に付き合ってしまったことではないだろうか。今回の問題やその社会への影響について真摯に向き合うつもりのない相手に、真摯に付き合ってしまったから泥沼化してしまったのだ。

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