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『たくらむ技術』発売記念インタビュー

『ロンハー』『アメトーーク!』の仕掛け人・加地倫三が明かす、“たくらみ”と“アクシデント”の両輪

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加地 いいえ、常にあるのは恐怖心だけ。『アメトーーク!』でいえば、「○○芸人」のアイデアがなくなったらどうしよう、『ロンドンハーツ』でいえば定期的にやっているヒット企画が飽きられたらどうしよう、今まで出てくれていた芸人さんたちにそっぽ向かれたらどうしようという怖さもあります。だから、次を生産しないと不安で不安でたまらない。そういう意味で、『アメトーーク!』も『ロンドンハーツ』も常に右肩下がりなんです。怖いんですよ。今年の年末の特番でやる企画も、今の段階で一つは埋めないと怖い。春にも秋にもスペシャルがあるのに、先に年末のことを考えてしまうんです。遠くがある程度決まっていると、安心してそこに進んでいけるでしょう。本当は来週、再来週の企画を会議で詰めなきゃいけないのに、「2年後のために、これをやっとかなきゃいけないよな」という話で時間の大半を使っちゃう(笑)。で、相棒であるチーフDの朝倉に「加地さん、再来週のアレを決めないと」と諭される。

――ドッキリで言えば、最終目的地の「落とし穴」が決まっていれば、どんな展開でもOKになると。

加地 そうですよ。ただね、落とし穴の場合は「落とせない」っていう場合もある。でも、家まで建てたのに落とし穴に落ちなかったら、それはそれでめちゃめちゃ面白いじゃないですか? もしかしたら、落とし穴に落ちるより面白い。いや、「それが面白い」って言ってしまえばいい。たとえば、落とすはずだったノブコブ吉村に途中でネタばらしをせざるを得なくなったら、「吉村、ちょっと来い」ってロケバスに乗せて家まで連れて行って「この家、オマエを落とすために建てたのに、どうしてくれるんだ!」って追い込むでしょ。「今から落とすから、ちゃんとリアクション取れ」って無茶振りして、案の定全然リアクション取れなくて……とか。

――目に浮かびます(笑)。

加地 ドッキリの現場って、超面白いんですよ。ライブ感がすごい。その面白さを知ってしまっているから、決めるのがつまらないんです。さっきの話と矛盾しているかもしれないけど、決めれば安心できても、その通りになっては面白くないというか。だって、しょせん僕たちスタッフが頭の中で考えたことですよ。僕らが会議で思いつくことなんて、視聴者は予想済みです。やっぱり、人の頭の中は超えていかないと。『アメトーーク!』も『ロンドンハーツ』も踏み外したら踏み外してもらっていいし、違うほうに流れたら「いけー!」って思います。

――だから、演者さんが生き生きとしているんですね。

加地 「やりやすい」とは言ってもらえてますね。「任せてくれてる感じがする」と。ただ誤解されたくないのは、すべてを演者さん任せにしているわけじゃないんです。それがなかなか言葉にしづらいところではあるのですが。

――それこそ、「たくらむ」部分じゃないでしょうか。ひな壇の座る場所ひとつ取っても、意味があると。たとえば(カンニング)竹山さんをザキヤマさんと有吉さんで挟んだところとか。

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