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“超攻撃的格闘兄弟”朝倉未来・朝倉海が語る「アウトサイダー出身」という矜持

暴走族出身で少々ぶっきらぼうな兄・未来(左)と、バレーボール部出身で人当たりが柔らかい弟・海(右)。キャラクターの異なる兄弟だが、ファイトスタイルはいずれも超攻撃的だ。

――海選手は、初体験の『RIZIN』の舞台をどう感じましたか?

 会場も大きいしお客さんの反応もいいから、テンションが上がりましたね。一発パンチが当たっただけで客席が盛り上がっているのが試合をしながらわかったので、やりながら楽しくなっちゃいました。

――試合後の周囲の反響は?

 地上波で放送されたし、あれだけ派手にKOしたので、翌日街を歩いたらいろんな人から声をかけられるのかと思っていたんですが、そこまでの反響はなかったですね(笑)。俺の求めているところにはまだ達していないな、もっと勝ちを重ねて知名度を上げないとな、と思いました。でも、嬉しいこともあったんですよ。

――それは何でしょう?

 俺、AK-69さんというアーティストが高校時代から好きで、「Forever Young」という曲を入場曲として使わせてもらっているんですけど、年末の『RIZIN』をAK-69さんが見てくださって、SNSで試合のことを書いてくれて、ご飯にも連れていってもらえたんですよ。すごく優しくて話も面白い方で、最高に幸せな時間を過ごすことができました。

――連勝してさらに幸せになってもらいたところですが、次戦の相手は、暴れん坊のマネル・ケイプ選手。海選手の敗戦を予想する声も多いです。

 俺が負けると思っている連中を驚かせてやるのが、今から楽しみです。ケイプは今、『RIZIN』で一番注目されている外国人ですし、トーナメントで実力も証明されている選手なので、俺にとってはビッグチャンスです。ここで勝てば、一気に名前を売ることができますから。

――ケイプ選手は記者会見の段階から絡みついてきそうですが、大丈夫ですか?(笑)

 ああいうイケイケの奴はアウトサイダーで慣れっこだし、煽れば煽るほど試合が面白くなるからいいんですけど、「調子に乗りすぎだな」とも思いますので、試合でブン殴って黙らせてやります。俺はバチバチに殴り合うのが大好きなので、ああいうタイプとは絶対に噛み合う。ケンカするつもりでブッ倒してやりますよ。

――外国人との試合経験は?

 韓国や中国の選手とはありますけど、黒人の選手と試合をするのは初めてですね。でもパワーや身体能力に関しても、俺は全然負けていません。今回、自分のベスト体重よりちょっと重たい階級でやるので、まずは体づくりから始めました。パワーも付け足し、試合映像も研究して、兄貴からもいろいろ分析してもらって戦略を立てているので大丈夫です。

――お兄さんの分析を、言える範囲で教えてください。

未来 ケイプは打撃を見る目はいいけど、攻撃面はあまり優れていないんじゃないかな。あと、寝技になったら、上からの攻撃が有効そう。その2つを突けば、いいんじゃないかと思います。

――わかりました。ところで、元ヤンキーで、人に愛想を振りまくのが苦手そうなお兄さんが現在、トレーナーとして接客業をやっていることが信じられないのですが(笑)。

未来 昔の俺を知る人からは「最近、優しくなったね」と言われますよ。接客業を始めたおかげで、ちょっとは丸くなったのかも。「優しくなっちゃって大丈夫?」と格闘技の面で心配されることもあるけど、本質的には何も変わっていないので、接客中と試合中とでメリハリをつければいいと思っています。

――弟さんの東京での生活ぶりは前回のインタビューでお聞きしたので割愛しますが、お兄さんの東京生活はいかがでしょう?

未来 豊橋にいるときは海とか星とかが好きでよく見にいっていたんですけど、東京ではそれができないことと、車社会じゃないことに、最初はちょっと戸惑いました。最近は月曜から土曜まで働きながらみっちり練習をして、日曜は疲れが溜まっているので、本を読んだりDVDを見たりしながら過ごしています。こっちに来て全然遊んでいないですけど、別に遊びに来ているわけじゃないので不満はないです。あと、東京に来て驚いたのは、「ヤンキー率の低さ」ですね。豊橋では街角でケンカを売られたりすることがたまにあったんですが、こっちに来てからは全然そういうことがないですから。

――東京は格闘家のレベルが高いとおっしゃっていましたが、女性のレベルはいかがでしょう?

未来 全然、見ていないですね。あまり興味がないので。

――失礼しました。弟さんはいかがでしょう?

 きれいな人が多いですね(笑)。

――おふたりはキャラクターこそ違いますが、「攻撃的なファイトスタイル」は共通しています。それぞれの闘争心の源は何なのでしょう?

未来 俺はもともと刺激中毒な部分があるんですよ。スリルを感じないと人生に面白みを感じないので、定期的に合法的な試合で刺激を感じることが俺の生きがいになっています。おまけにお金までもらえるわけですから、格闘家は天職だと思っています。

 俺の場合は、愛知から大勢応援に来てくれる友達に勝った姿を見せたい、というのがモチベーションになっています。あとは、アウトサイダー出身ってことでナメられることも多いので、それを見返してやりたいというのも大きな原動力ですね。

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