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『幻の哀愁おじさん』発売記念インタビュー

岩井ジョニ男、コスプレだった“おじさん”が本当の“おじさん”になった日

文=西澤千央

タモリの教え「かわいこぶるな」

か、かわいい…

――よくうちの祖母が俳優さんを見て「苦み走ったいい男」って言ってたんですよ。全然意味がわからなかったんですけど、きっとそういう……ジョニ男さんが見て憧れていたおじさんって、そういう感じなのかなと。

ジョニ男 そうです、ビターな感じです。もうそれはね、いろんなものを経てじゃないと出てこないものなんですよね。今の女性たちは、そういうものを男性に求めなくなったのかもしれませんが。

――今の若い女の子たちは、ジョニ男さんのインスタを見て「かわいい」ってなっています。

ジョニ男 「かわいい」か……。僕、20代の頃にタモリさんに言われて強烈に覚えていることがあって。「お前、絶対にかわいこぶるなよ」って。それはたぶんタモリさんのダンディズムみたいなものだと思うんですけど、かわいこぶってるやつを異常に嫌うんですよ、タモリさんって。前にですね、ちょっと袖の長いジャケットを着た男性マネジャーがいたんですよね。ちょっと手が隠れる感じの。

――「萌え袖」っていうやつですね。

ジョニ男 萌え袖っていうんですか? そのちょっとかわいこぶってる仕草を、タモリさんが嫌がって。タモリさんと4年半一緒にいたんですけど、この人はかわいこぶることを異常に嫌うんだな、と。だから俺も気をつけようと思って。

――「かわいい」に自覚的になると、結局かわいくはならないですからね。ジョニ男さんとしては、小さい頃に憧れていたおじさんを、ずっと今までやってきただけ。

ジョニ男 もともとは、スーツに関してはデヴィッド・ボウイの影響なんですけど。学生の頃からスーツを着てましたし、ポマードつけて。いま学園モノの映画はやってますけど、あそこに私服でスーツ着てポマードつけてる学生なんています? 山崎賢人くんや竹内涼真くんは、そんなことしないじゃないですか。だから、今考えるとだいぶ気持ち悪いです。

――当時の自分を冷静に振り返ると……?

ジョニ男 気持ち悪い。ポマードをつけてサイドにメッシュを入れて、それで学ランにヨーロピアン……尖った靴を履いて、セカンドバッグで学校に行ってたんですよ。偽物のルイ・ヴィトンとかヴァレンチノとか持って。

――ちょっと目は合わせられないかも(笑)。

ジョニ男 ですよ。好きな俳優やミュージシャンの格好をひたすら真似てましたけど、でもあれって人前に出る人だから着こなせたんであって。千葉の田舎の普通のやつが、なにも成し遂げてないやつがスカーフ巻いてバルーンジャケット着てるんですよ。それで気取ってサングラスしてあぜ道を歩いてる。

――あぜ道……。

ジョニ男 トラクターの跡があるあぜ道を……。そりゃ、やっぱり周りの人は声かけられないですよ。異様ですもん。

――でもそれが、ジョニ男さんが憧れた「大人」だった。

ジョニ男 同世代の人間には憧れないじゃないですか。やっぱりちょっと上の人たちが格好いいなぁと思って、音楽でもなんでも。

――国内外のかっこいい俳優やミュージシャンに憧れてやってきたことが、今は「昭和のおじさん」イメージになってるのも、なんか不思議ですよね。

ジョニ男 確かになぁ。僕が司会者で相方がラッパーのネタがあるんですけど、「NHKの堅い司会者をイメージしてるから、なんかスーツ持ってきて」って言われて持っていったら、ああいうスーツだったわけですね。それまで私服では、一応普通のスラックスとかジーパンとかはいてたんですよ。だけど、ある時期からそういうネタをいっぱいやるようになって、お客さんから「あのスーツの衣装で今度写真撮ってください」って言われるようになったんです。「だったら毎日スーツで行きゃいいんじゃない」って。もちろんスーツは好きですから。それからは、ワイシャツを着てカフスをはめてネクタイを締めて。髪の毛も、メイクさんにやってもらったことないんですよ。ぼさぼさの頭でスーツを着て行きたくないから、家出るときにはこうなってる。

――すごい。やっぱり美学があるんですね。

ジョニ男 飯尾さんはサンダルで登場したりするんで、よく言われるんです。「ジョニ男さん、面倒臭くないの? それ」って。「いや、僕はこれが好きなんですよ」と。

――スーツはすべてリサイクル品だから、元の持ち主の名前の刺繍が入っていたり。

ジョニ男 歴史を感じるんです。いま僕が着てますよ、と。まさかちょびひげ生やしてるやつが着てるとは思わないでしょうけど(笑)。すごく気が弱いんで、その人の力も借りてなんとか、という気持ちもあるんですよ。

――そうやって、見知らぬおじさんの魂を受け継ぎながら……。

ジョニ男 いま本当のおじさんになりました(笑)。
(取材・文=西澤千央)

●『幻の哀愁おじさん』(講談社)

「インスタ映えしすぎるおじさん」として注目を集める岩井ジョニ男。
そのインスタ(ジョニスタグラム)写真を中心に編んだ、おじさん愛とノスタルジーに満ちた心癒されるフォトエッセイ

最終更新:2019/06/26 13:16
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