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新型コロナで右往左往!? フリーランスを促進する安倍政権が付け焼き刃の“休業補償”で大混乱

「休業補償」について政府として明確な整理が行われていない?

 安倍晋三政権は「働き方改革」を推進するにあたり、さまざまな政策の中でフリーランスや自営業者を推進してきただけに、菅官房長官が“慌てて”対応策を発表したのだが、その内容が「経営相談窓口の設置や緊急貸し付け・保証枠として5,000億円を講じる」というものだけに“火に油を注いだ”恰好となった。

 「企業の雇用者は補償金が給付され、フリーランスや自営業者は返済義務のある“緊急貸し付け”という名の借金をしろということか」「安倍政権は結局、企業優遇でフリーランスや自営業者は切り捨てる姿勢。何がフリーランスは推進していくべき新しい働き方のスタイルだ」という声が溢れかえった。

 こうした事態を鑑みるに、このような事態を引き起こしているのは、「休業補償」について政府として明確な整理が行われていないことに原因がある。

 例えば、労働者の休業補償には、労働基準法の休業手当と健康保険の傷病手当金がある。労働基準法における休業手当は、使用者の責(企業側)による理由によって休業した際に、企業に休業手当を支払う義務を定めている。

 では、新型コロナが「使用者の責」となるのかについて、厚生労働省は2月25日に「感染が疑われる」労働者を企業の指示で休業させた場合には休業手当の対象となると判断している。ただし、「感染が疑われる」場合には対象となるが、「感染している」場合と「発熱などで自主的な」場合には対象外となっている。

 労働者の休業補償は新型コロナの感染がポイントとなるが、健康保険の傷病手当金では「業務外事由によって仕事に就くことができない場合」を対象としており、「使用者の責」は問われていない。

 となれば、このふたつの手当と今回の学校の臨時休校に伴い仕事を休んだ保護者の収入減に対応する新たな助成金制度との整合性をいかに取るのか。あるいは、それらの手当てを今回の新たな助成金制度の代わりに利用することはできなかったのか、などの点についても検討する余地があったのではないか?

 いずれにしても、ふたつの手当ても企業の雇用者が前提となっており、フリーランスや自営業者など、また、国民健康保険の加入者は該当しない点は留意が必要だ。結局は、フリーランスや自営業者などの休業補償については、学校の臨時休校に伴い仕事を休んだ保護者の収入減に対応する休業補償を検討しておくべきだった。

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