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『海辺の金魚』完成記念インタビュー

「いつかはハロプロを撮りたい!」女優、そして映画監督。小川紗良、初の長編映画

文=萩原雄太(はぎわら・ゆうた)

撮影:二瓶彩 ヘア&メイク/服部さおり スタイリスト/山田梨乃(以下同)

 2019年、連続テレビ小説『まんぷく』(NHK総合)に出演して以降、『フォローされたら終わり』(Abema TV)や『アライブ がん専門医のカルテ 』(フジテレビ系)などで注目を集めている女優・小川紗良。演技だけでなく、『小川紗良のさらまわし』(テレ朝動画)ではMCも勤めており、さらなる活動の展開に期待がかかっている。

 そんな小川のもう一つの顔は、映画監督である。

 早稲田大学在学中に彼女は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」に3年連続で監督作品が入選し、若手の登竜門「PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」にも入選するなど、俳優が片手間にやるようなものではない活躍を見せている逸材なのだ。

 そして今回、今冬以降に公開を予定している初の長編映画『海辺の金魚』を製作。いよいよ完成するとの報告が編集部に到着。仕上げ作業中の彼女を直撃、「映画監督・小川紗良」の声をお届けしよう!

◇ ◇ ◇

──初の長編映画の仕上げ作業中と聞きつけてやってきました! まだ完成前ですが、いったいどんな作品なのでしょうか?

小川:これまでは短編・中編映画を監督してきたんですが、物語にうねりを持たせたものを作りたいと思い、長編に挑戦しました。『海辺の金魚』は、ひとりの少女が自分の人生を歩き始める瞬間を描く物語です。というのも、昨年は、大学を卒業したり、朝ドラに出演したり、プライベートでも新しい環境で暮らしを始めたりと、自分の足で歩み始めた感覚のある年でした。そこで、自分を取り巻く環境や、これからの人生への不安の中で、一歩を踏み出す作品を作りたいと思ったんです。

──小川さんの個人的な気持ちが重ねられているんですね。しかし、その設定は、母親が起こした事件をきっかけに児童養護施設で育った女子高生を主人公に、母親との葛藤を描くもの。かなり重いテーマです……。

小川:確かに重いテーマなんですが、私が描きたいのは、そこにいる女の子の日常です。重いテーマを取り扱う時に、いちばん気をつけなきゃならないのが「可哀想な人」の話になること。過去のトラウマにまつわる話って、どうしてもネガティブなパワーが働きがちですよね。けど、そんな場所に生きる女の子の日常を、肯定的な視線で描きたい。

 例えば、落語や講談を見ていると、恵まれていない環境の人たちも明るく暮らしている姿が描かれています。最近の映画で言えば、『パラサイト』もそうですよね。半地下の重々しい雰囲気の中にあるのは、肯定的で明るい家族の姿でした。否定だけに終わるのではなく、肯定から生まれる「祈り」を見たいんです。

──今冬以降に公開予定ですが、現在の進捗状況は?

小川:昨年の夏に撮影して、秋から冬にかけてずっと編集していました。ようやく全体像が見えて落ち着いてきたところです。この1年は、俳優として映画とドラマ・バラエティー出演などと並行して空き時間に脚本を書いていたし、昨年夏の鹿児島県での撮影が終わってからも、早朝に起きて編集してからドラマの撮影に行き、帰ってからまた編集作業という、プライベートが無い毎日。「いったい、私はどこに向かっているんだろう……」って放心状態になることもしばしばでした。

──女優と監督を行き来しながらハードな日々だったんですね……。

小川:私自身、すごく不器用なので、目の前にあることを一つひとつしかできないんです。入念に準備してから10日間にわたって一気に撮影したんですが、東京に帰った次の日にドラマの撮影現場に行くと、”監督脳”から“女優脳”へうまく切り替えられなくて、セリフを覚えて話すっていう女優の基本すらもできなかった……。演技ってどうやってたのか、すっかり忘れちゃってたんです(笑)。

──では、小川さんにとって監督と女優の違いとは?

小川:そうですね……。ものづくりをしているという意味では一緒かな。ただ、監督の場合は話の展開、ロケーションなど、作品の全責任を持っているから全体を見なければならない一方、女優のときは、一つの役をすごく掘り下げていくから四六時中その役について考える。そういう違いはありますね。

──今回の作品で、映画監督として成長した部分はありましたか?

小川:是枝監督の『誰も知らない』や『歩いても 歩いても』などでも撮影監督として活躍している、大ベテランの山崎裕さんと一緒に仕事ができていろいろなアドバイスを貰えたのは、とても刺激的な経験でした。

 今、機材を揃えればいくらでもきれいな画を撮ることができます。けど、今回私が撮りたかったのは、きれいな絵ではなく、カメラに映っている対象の心理やその外側に広がっている世界。絵作りではなく、被写体を魅力的に撮影するために、山崎さんとともに、余計なものを徹底的に削ぎ落としていったんです。

──いったいどんな映画になるのか楽しみです! ちょっと気が早いけど、次回作の構想はありますか?

小川:今回の作品には、たくさんの子どもたちに出演してもらったんですが、全然コントロールが効かなくて、そこが魅力的でした。準主役をお願いした現地の子どもは、初日の撮影のシーンで「やっぱり出たくない」って泣き始めちゃうし、ほかの子がすぐ喧嘩を始めたり、気づいたらどっかにいなくなっていたり……。

──カオス過ぎる(笑)。

小川:でも、そんなコントロールできない子どもたちに合わせて動くと、思いもよらないカットが撮れる。子どもたちの発想や発見は、本当におもしろくて天才的です。劇映画なのかドキュメンタリーなのかわかりませんが、いつか子どもに関する作品を作ってみたいですね。

──ところで、小川さんと言えばハロヲタとしても有名ですが、ヲタ活の方はいかがでしょう?

小川:この1年はかなり変化が激しかったですよね。梁川奈々美さん、宮崎由加さん、和田彩花さんが卒業したり、カントリー・ガールズが活動休止したり……。その一方で、新メンバーとして加入する子がいたり、新しいユニットが立ち上がったりもしています。新しいハロプロの幕開けにワクワクしてます!

 実は先日、牧野真莉愛さんのイベントに行っていたんですが、今19~20歳くらいの、ちょっと前まで妹分みたいだった世代がお姉さんに成長し、新しいハロプロを引っ張っていく存在になってきているんですよ! そんな成長の物語に、なんかグッと来ちゃって……。

──激しいハロプロ愛が伝わってきます! いつかハロプロのドキュメンタリーを撮影してください。

小川:ぜひ挑戦したいです!!

小川紗良(おがわ・さら)

1996年、東京都出身。高校生の時に読者モデルに選ばれ女優としての第一歩を踏み出す。早稲田大学に通いながら女優・監督として活動し、監督としては『あさつゆ』『BEATOPIA』『最期の星』を発表。3作品ともゆうばり国際ファンタスティック映画祭やぴあフィルムフェスティバルなどで入選する。

早稲田大学卒業後は連続テレビ小説『まんぷく』(NHK)ではメインキャスト、『フォローされたら終わり』(AbemaTV)ではヒロインを好演。CX『アライブ』での好演も話題になった。今春よりテレ朝動画では『小川紗良のさらまわし』のMCを担当し、『水道橋博士メルマ旬報』で連載するなど執筆業でも活動中。

萩原雄太(はぎわら・ゆうた)

萩原雄太(はぎわら・ゆうた)

演出家・劇作家・フリーライター。演劇カンパニー「かもめマシーン」主宰。舞台芸術を中心に、アート、カルチャー系の記事を執筆。

Twitter:@hgwryt

ライター実績ページ

最終更新:2020/04/20 12:00

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