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立川志らく「生活保護には偏見と差別がある」に拍手! 福祉事務所の対応にも苦言

福祉事務所の対応に問題も

 そして3つ目のハードルは「福祉事務所の対応が厳しい」というもの。

「コロナで仕事がないから相談したのに、五体満足なら働けと言われた」などのアンケートの声をハセンアナが紹介すると、3時のヒロインの福田麻貴が「友達が福祉事務所で働いていて、彼女は真摯に働いています。ただ、申請者の中には情緒が荒い方などもいると聞いています。そういう方と毎日接してると、心が荒んだりとかで、こういう言葉が飛び出したりするのかも」と聞いた話なのだろうか、福祉事務所の例を挙げて言う。

 すると志らくが「それは仕事として失格ですよ。私が毎日番組に出て何も言わなくなって、くたびれたからと言ったら失格でしょう? 困ってる人が来たら真摯に向き合う。それがプロとして、仕事しての責任でしょう?」と言ったのはそのとおりだと思った。

 ジャーナリストの望月さんも「(生活保護を利用するのは)本当は権利なのに、警察の取り調べみたいなことを受けてしまいがちです。だから役所の人たちには高いモラルと専門性が求められる。でも実際の役所では非正規の人も多いんですね。政府には生活保護にしっかりお金を出してほしいし、職員にも必要なお金と情報を適切に浸透させ、国としてあるべき姿にしてほしいです」と要望した。

 なんだ、これ? びっくりだ。正直なところ、「グッとラック!」はいつも議論の深まらない番組だと思ってきた。けっこう社会派のいいネタとか取り上げても、スタジオでは志らくがああだこうだ言って、それとあまりうまく馴染まない田村淳が何か言い、その後、話がつながらないことが多い。ハセンアナはもっと話を振る順番を考えればいいのにとか、見てるこっちがヒヤヒヤしていたのだが、今回はそうした心配も無用。コメンテーター全員が真剣に考えて話していた。

 そして最後の最後、トレンディエンジェル齋藤さんが、「生活保護という名前についたイメージも変えていかなきゃ。たとえばゲイリー・オールドマンとか」と言うと、ハセンアナがムッとした顔で「なんで、それ、このコーナーの最後に言う?」と怒ったが、いやいや、斎藤さん、それ、正解ですよ。

「オレ、今、ゲイリー・オールドマンなんだ」って、なんかカッコいいじゃないですか。生活保護のイメージ変わります。ハセン、そこ、怒るとこじゃないから。

和田靜香(ライター)

1965年生まれ。静岡県出身。主に音楽と相撲のライターで貧困問題やフェミニズムにも関心が高い。著書に『スー女のみかた~相撲ってなんて面白い』(シンコーミュージック)、『音楽に恋をして♪評伝・湯川れい子』(朝日新聞出版)、『おでんの汁にウツを沈めて~44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)などがある。

わだしずか

最終更新:2021/02/04 12:41
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