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かまいたち爆速天下取り!川島も実力相応ポスト…現役若手芸人がお笑い総まくり

ブームが落ち着いた第七世代がネクストステージ模索

 19年からスタートしたといわれる「お笑い第七世代」ブーム。今日のお笑いブームは、第七世代の登場を皮切りに始まったといっていい。

 以前の数少ないバラエティ枠では、立ち上げた番組の失敗は許されず、挑戦的な「実験枠」を作る余裕が無かった。そのため「笑いを取る能力が高い」と実証済みの大御所や中堅芸人がキャスティングされる事がほとんどであり結果、「おもしろいんだけど、メンバーがあまり代わり映えしない」という状態が長期間、お笑い界のジレンマとして継続していた。

 そこに「第七世代」と一括りにされた「若手芸人の集団」が投入された事により、既存の大御所芸人との世代間ギャップや価値観の違いから発生する言い争いなど、従来とは違う笑いの形が多く生み出された。さらに画面写りも新しく、それを機にさまざまな鮮度の高い企画が増加し、お笑いブームとして発展していった。

 そして「第七世代」ブームが2年ほど続いた今年の中盤ごろから、そのブームは落ち着きを見せ出している印象。大御所芸人との価値観の違いを中心としたやりとりもある程度出尽くし、現在は彼ら自身のキャラクターを活かした企画や、悩み相談やぶっちゃけ話の企画が増加している。

 これはブレークした芸人の次のステージであり、ある意味従来通りの既定路線ともいえる。以前のように「第七世代で何組もまとめて番組に呼ばれる」というケースは減少し、既に「第七世代」はひとつのラベリングに過ぎなくなってきている。そしてこの2年で着実に実績を残したメンバーは個別で冠番組やレギュラー番組を持つようになり、ネクストステージへ一歩を踏み出し始めている。

 今後従来通りの既定路線で進むのであれば、彼ら第七世代芸人は、来年以降は次世代の若手芸人と戦う事となる。テレビでの鮮度が薄れるためスキルが求められ、ネタでは賞レースファイナリストたち、ひな壇では他ベテラン勢と同じ枠での戦いとなる。

 これは何度も繰り返されてきた日本お笑い界の螺旋であり、来年は更にしのぎを削る彼らの戦いが見られるだろう。

若手女性芸人の露出の変化

 現在の若手女性芸人からは、「恋愛」や「容姿イジり」に縛られないトークやその人ならではの価値観が赤裸々に語られる事が多い。「視聴者が求めている女芸人を演じる」というよりは、「女性芸人である自身の価値観を発信している」という側面が強くなっている。

 以前は若手女性芸人を集めた企画では「モテない」「彼氏が欲しい」など、色恋を絡めたものが非常に多く、若手もベテランも一括りにされそのテーマでトークを繰り広げていた。またネタ番組内でのネタでも容姿イジり・恋愛ネタが多く、17年の女芸人No.1決定戦「THE W」初回放送では、そのテーマのネタ被りの多さが話題となった。

 しかしこれは女性芸人が何本もネタ・トークを舞台にかけ、よりウケるものを選別・精査したら自然とそれが残ったというものであり、ある意味お客さんがそのような姿を望んでいた結果とも言える。

 ここ数年の間に世間の価値観が激変。多様な価値観を是とする風潮が強まった結果、視聴者側が共感を得るポイントに変化が起こった。結果、21年は以前にも増し純粋な発想力や切り口勝負のネタやトークが増加。今までにない女性芸人の姿が見れるようになった年となった。

 21年はブームにより、数々のお笑い番組が誕生した。従来の流れであれば、今後はその番組の枠内でさらに、新たな若手芸人の発掘が行われる。

「どこにも露出のない、この番組発のスター」を輩出すべく各局では数多くのオーディションが開催され、更に多種多様な若手芸人が誕生し、皆様を楽しませてくれるだろう。

 2022年も、等しく多くの笑いが溢れる事を期待したい。

【※敬称略】

吉松ゴリラ(お笑い芸人)

SHUプロモーション所属。 宮崎大学大学院首席。もともとコンビで活動をしていたが、解散後ピンへ転身した。

Twitter:@hidetaka111

Instagram:@h_yoshimatsu

YouTube「よしまつゴリラちゃんねる」

よしまつごりら

最終更新:2022/04/14 12:53
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