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安倍元首相銃撃、山上容疑者凶行の裏に“日本人総健忘症”とメディアの怠慢

「選手が卑猥な言葉を口にしながら…」甲子園取材の女性記者の“告発”

 さて、秋篠宮佳子さんが、3年ぶりに宿泊を伴う地方の公務に出席したことが話題のようだ。

 北海道恵庭市で開かれた「全国都市緑化祭」に出て、言葉を述べ、記念の植樹もされたという。

 佳子さんは、そのほかの公務にもたびたび出席するようになったのだが、その背景には、
「佳子さまご自身が“何もしていない”という世間の批判を大層気になさっておられるのです」(宮内庁関係者)というのは新潮である。

 だが、彼女の「皇室からの脱出願望」は根強く、公務の出席の多さが、皇室に残るということを意味するものではないという。

 佳子さんは、渡米後も姉の眞子さんへのバッシングが止まらないことに対して、「マスコミは最悪」と漏らしているというのである。

 週刊誌をマスコミというかどうかは議論のあるところだが、間違いないのは、眞子さんの夫の小室圭の3度目の司法試験が失敗すれば、週刊誌も関心を失うだろうということ。

 そして週刊誌の矛先は、佳子さんに向くはずだ。佳子さんもよほど覚悟しないと、皇嗣離脱&一般人との結婚への道のりは平たんではない。

 さて、熱闘甲子園の季節になった。高校生たちが力の限りを尽くしてグラウンドを走り回り、投打走の極限に挑む姿は、毎年、多くの感動を与えてきた。

 だが、17、18という年ごろは、性的なものへの関心が一番高まる時期でもある。私なども経験があるが、木の枝が二股に分かれているのを見ても発情したものだった。

 マネージャーやチアガールなど少数を除いては、ほとんどが男の世界である。そこに取材目的で年上とはいえ、女性の新聞記者がいれば、何事かが起こらないはずはなかったのだ。 

 だが、これまでもあったはずの「性加害」とでもいうべき事態が起き、女性記者が新聞社の上司に訴えても、ここも男社会であるため、大ごとにならないように隠蔽してきたことは想像に難くなかった。

 そのことをいち早く報じたのは、映画界の性加害問題を取り上げた文春(5/15日号)であった。

 強豪校の監督がセンバツを主宰する毎日新聞の女性記者を居酒屋やカラオケに連れて行って、「もう一度俺に恋をさせてくれ」と迫り、手を握るなどのセクハラをしていた。

 夏の甲子園の主催者である朝日新聞の女性記者が宿泊しているホテルの部屋に来て、局部を露出し、しごく様子を見せたこともあった。

 このセクハラを体験したのは、元朝日新聞記者の牧内麻衣で、ポストの取材に答えてこう語ったという。

 彼女が担当するチームが試合に勝ち、ホテルに戻ったある夜、牧内の部屋のベルが鳴ったという。ドアを細く開けると選手の一人が立っていた。

「少し不安そうな声で何度も『話したいことがあるんです』と言うので私がもう少しドアを開くと、その選手がドアの隙間に手を差し込んで、すーっと部屋に入ってきました。反射的に後ずさると、選手はその隙に後ろ手に閉めたドアの前に立ちはだかりました。体格も私より大きく、触られる不安もあり、部屋から出たくても怖くてドアには近づけませんでした。すると選手が卑猥な言葉を口にしながらズボンの中に手を入れ、マスターベーションを始めました。ニヤニヤと気持ちの悪い表情を浮かべていました」

 逃げたくても逃げられない状況だったため、牧内は「やめてほしい。やめないと大変なことになるよ」「試合に出られなくなる。監督に電話するから、すぐに部屋を出なさい」と、説得して行為をやめるよう促したのだが、

「選手はハアハアと息を荒らげ、とてもまともに話せる状況ではありませんでした。『試合に出られなくなる。帰りなさい』と繰り返すと、しばらく経ってようやく出ていきましたが、その後、部屋の電話が何度も鳴らされて、その選手から『言わないでくださいね』と言ってガチャンと切られたり、吐息の音だけをさせたり、気持ちの悪い電話が続きました」

 彼女は翌朝、高校野球期間中の担当デスクにありのままを伝えた。だが、その対応に彼女は失望させられたという。

「デスクが本社や関係各所に連絡を入れると、しばらくして『とりあえず宿舎を移れ』と言われました。被害を受け、別のホテルに移動してからも、私は加害者のいるチームの取材を続けさせられました。デスクは『取材はできる範囲でいいから』と言いましたが、チームが勝ち残れば当然、出さなければならない記事や業務は増えました」

 やっとの思いで高校野球の取材を終えた8月末、牧内は上司から事件の処理についてこう説明されというた。

「学校が当該の選手らに聞き取りを行ない、本人もすべて認めたそうだ。選手は僕の前で謝った。相手は未成年だし、未来がある。この件の処理はこれで終わりだ」

 彼女の返答を待たずに、上司から9月以降の人事の話をされただけだったというのである。

ポストは朝日新聞と毎日新聞に、高校野球取材で女性記者が性被害を受けていることについて聞いたが、返ってきたのは、

<弊社は、従業員が性被害を含めたハラスメントの加害者にも被害者にもならないように取り組んでおり、定期的に社内研修を実施し、相談窓口を設けています。弊社の「ハラスメント防止に関する規定」では、「上司は、部下がハラスメントを受けている事実を認めながら、これを黙認する行為をしてはならない」と定めています。高校野球取材に限らず、社外の人からハラスメントを受けた場合、相手方に適切な対応を要求することにしています>(朝日新聞社広報部)

<セクシュアルハラスメントは許されることではなく、社として常に毅然とした対応を取っています。2018年に出した社長メッセージでは「あらゆるハラスメントを許しません」と宣言し、「『取材先や取引先との関係を壊したくない』など、被害を受けている本人よりも、業務上の利益を重視するような対応は絶対にあってはならない」と明確にしています。また、従業員が被害に遭わないようにハラスメント対策を研修で取り上げているほか、複数の相談窓口を開設するなど従業員が安心して働ける環境整備に努めています>(毎日新聞社社長室広報担当)

 記者へのセクハラは許せないが、高校野球は朝日と毎日の主催事業で、泥を塗るわけにはいかないから、記者には泣いてもらう。本音が透けて見えるではないか。

 新聞、テレビ、出版はいまだにほとんどが男社会である。この中で安穏としている人間に#MeTooを語る資格はない。

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