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芸能人を悩ませるファンのつきまとい行為…元芸人の背筋が凍った駅での出来事

文=檜山 豊(ひやま・ゆたか)

芸能人を悩ませるファンのつきまとい行為…元芸人の背筋が凍った駅での出来事の画像1
檜山豊 公式ツイッターより

 皆さんは「有名税」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 有名税とは「有名であるが故に、知名度と引き換えに生じる問題や代償を税金に例えた単語。主に有名になることでマスコミや大衆の注目が集まり、プライバシーが阻害されたり、名前を利用されて迷惑を受けたりすること」だそうだ。

 確かに有名になることで、マスコミに追いかけまわされたり、我々のような一般人に街中で気づかれてこっそり写真と撮られたりと、プライベートで外出した際は相当落ち着かないかもしれない。しかし、そのレベルの芸能人や著名人であれば、それ相応の収入を得ているだろうし、ある程度気づかれないように専用車やタクシーで移動したり、飲食するときも個室を利用してプライバシーを自己防衛出来る。なので、我々が思っているよりも「有名税」を払っていない可能性がある。

 ちなみに今回のコラムは僕が芸人をやっていたころの経験談や聞いた話などを元に書くので、ある意味独断と偏見が多めになってしまう可能性がある。その部分はぜひご了承いただきたい。では本題に戻ろう。

 「有名税」の中に「ファンの方に追いかけられる」というものがある。先述したが、一流の芸能人や有名人になれば移動手段を何通りも選べるので追いかけられることも少なくなるのだが、ある程度知名度は出ているが、まだまだ電車などの公共交通機関での移動を余儀なくされているアイドルや芸人などは、この「有名税」を支払うことが多い。

 19日「ABEMA Prime」で、先日博多で起きた“つきまとい行為”の果ての痛ましい事件を受けて、元SKE48で現在フリーアナウンサーの柴田阿弥さんがアイドル時代のつきまとい行為について話をした。ご自身が被害に遭ったことはないようだが、周りのアイドルの子たちは自宅や学校、駅で待たれたり、手紙やプレゼントが直接自宅に届いたり、兄弟を通じて接近しようとしてきたりと、話を聞くだけでトラウマになるような感覚になった。しかし、被害を受けた本人たちも「こういう仕事をしているから仕方ないよね」と半ば諦めており、何も出来ないことに対して苦悩していたと語った。

 このつきまとい行為は何もアイドルに限ったことではない。僕も芸人をしていた頃、つきまとい行為を経験している。

 芸人を始めて数年経ち、ある程度テレビにも露出させてもらえるようになった頃、とあるライブの帰りに会場で見た女性が同じ電車に乗っていることに気づいた。偶然同じ方向なんだろうと思っていたのだが、こちらを見てはいないが、常に僕の居場所を確認しているように思えて、自意識過剰かなとは思ったが、少しだけその女性を警戒することにした。

 最寄りの駅に着き、電車を降りると、その女性も電車を降りた。もちろん偶然の可能性も否めない。しかし、怪しさが拭いきれなかった僕は、少し足早に階段を駆け上がり改札を抜けた。偶然であれと思いながら、改札からは見えづらい場所で振り返る。すると、先ほどの女性は改札を出た付近で辺りを見回し、誰かを探していた。

 もしかしたら待ち合わせをしているだけで、僕の被害妄想の可能性も大いにあるので、一概につきまとい行為であるとは言い切れないが、背筋が凍ったのを今でも覚えている。

 さらに、違う駅に住んでいた時にも怖い思いをしたことがある。当時は携帯電話が普及し始めた頃で、まだ駅には伝言板があった。僕の最寄り駅の伝言板に「ホーム・チーム檜山さん、結婚して」と書いてあったのだ。僕が気づいていないだけで、僕を駅まで追いかけたか、もしくは僕を知っている人間が同じ駅を使っていたのだ。これには度肝を抜かれた。

 さらには、身に覚えのない買い物袋が自宅のドアノブに掛かっていたり、夜中に電話帳に載せていない自宅の電話に電話がかかってきて「付き合ってください」と言われたり。世間が今ほどセキュリティを意識していなかった時代だっただけに緩い部分があったのかもしれないが、僕程度でもこのくらいの被害には遭っているのだ。

 僕が思うに「有名税」は有名になればなるほど減税できる税で、中途半端に知名度が出ている状態が一番「有名税」を払っている可能性がある。多くの収入があるわけでもなく、セキュリティが強い物件に住めるわけでもなく、常にスタッフが身を守ってくれているわけでもない。中途半端に知名度が出てしまった芸能人達の方がもしかしたら危険かもしれないという有名税の本質を芸能事務所は認識する必要がある。そこからようやく安心して活動できるようになるのではないだろうか。

 有名税とは何とも割に合わない税である。

檜山 豊(ひやま・ゆたか)

檜山 豊(ひやま・ゆたか)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

最終更新:2023/01/24 13:00

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