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TBSラジオの地上波枠獲得なるか バキュン音だらけのカラタチPodcastが面白すぎる

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写真/是永日和、以下同

 今年4月、TBSラジオのPodcast番組『N93』が始まった。若手芸人5組がしのぎを削り、地上波枠獲得を目指して再生数等で競い合う新たな試みだ。

 そしてスタートから3カ月が経過した今、順位を上昇させているのが『カラタチの最果てのセンセイ!』である。

 坂道グループを中心に推すアイドルオタクの前田と、エロゲをはじめとする二次元オタクの大山、芸歴13年目のコンビ「カラタチ」が繰り広げる応酬が「面白すぎる」というシンプルな理由で評判を呼び、熱心なリスナーが急増。いずれ劣らぬライブシーンでの実力者たちが顔を揃える『N93』の中で、まさにダークホースとなっている。1回の配信につき複数回は銃声(規制音)が入る危なっかしい内容が魅力の番組について、当の本人たちに聞いてみた。

なんで選ばれたのかいまだにわからない

――『N93』のパーソナリティ5組の中にカラタチさんが入るのを知ったとき、嬉しいのと同時に、「この並びの中に入る?」と意外に思ったんですよ。

大山 俺らもびっくりしましたね。

前田 いまだになんで選ばれたのか分かってないんですよ。

――オーディションはなかったんですか?

大山 作家さんやプロデューサーさんとの顔合わせがあると呼ばれて、行ったら番組が決まってました。そこではYouTubeを見たという話で。

前田 鬼越トマホークさんの『喧嘩チャンネル』で僕がアイドルについて語った回と、ABEMAで放送された『2分59秒』を見たと言ってもらいました。

※「アイドルに詳しくない人達に向けてカラタチ前田が特別授業を開講!!

※カラタチ 前田壮太「人生が前向きになる!推し活のススメ」

大山 でも、その2つは相方だけの出番で、俺、どっちも出てないんですよ。

前田 だからバーターだよな。

大山 誰がバーターだよ! 俺のこともどっかで見てたんだろうけど、まだ報告されてないだけだから。あのときちゃんと聞けばよかったよね。

――2人で「こういう番組にしよう」みたいな話し合いはしました?

前田 特にないですね。言いたいことをずっと言ってる感じです。

大山 アイドルオタクとアニメオタクなんで、話がまったく合わないんですよ。

前田 お互い下に見てますし。

大山 裏でもそんなに会話をしないから、半分ずつ時間を分け合って、じゃあ好きなことをしゃべろうかという感覚ですかね。。

――番組が始まるまで、不安を感じませんでした?

前田 5組で争うと聞いて、僕らは知名度からしてほかに負けてるから、「勝負してやろう」よりかは、「半年の間にちょっとでも知名度が上がればいいな」ぐらいの気持ちでしたね。

――「爪跡残してやるぞ」みたいな意気込みではなかったんですね。

前田 普通に話してるだけで、悪い意味での爪跡を残しちゃったりするんで。

大山 特にこいつがそうなんですよね。ライブでもポロッと毒を吐きます。

前田 結構びっくりされるんですよね。おとなしくて弱々しいイメージなのに、意外と毒を吐くんで、「フグみたいだな」って言われます。

――その毒は何がルーツなんですか。「和彫りのデジタルタトゥー」「栄養過多の落武者」のような絶妙なワードをどんどん放ってますけど。

前田 小学校6年生のときにパソコンを買ってもらって、そこからネット民というか、2ちゃんねるで悪口をずっと見ていたというのはあるかもしれないです。

大山 こいつの何が怖いって、見てるだけじゃなくてちゃんと悪口を書いてる時期もありましたから。まあたしかに口達者ではありますよね。お笑いライブをサボるときの言い訳とか、一丁前なんですよ。たとえば俺らは単独ライブをやらないんですけど、それは相方のネタ作りが大変というのと、ただやりたくないという理由がありまして。でも周りからサボってると受け取られないように、こいつは言い訳としてハライチの岩井さんの例を出すんですよ。単独に向けてネタを何本も作ると精度が薄くなってしまうから、ペースが遅くても強いネタを1本作ったほうがいい……という意見をお持ちらしくて、「俺はそのタイプなんだ」というプレゼンをするんです。(編注:なおハライチは2020年からは単独ライブを行っている)

前田 それはネットの記事を読んで使えるなと思って、すぐスクショしてフォルダに入れました。

大山 そう言いながら新ネタライブで薄いネタ1本持ってきてスベることもあるんで……。なんなんだよ!

――口達者なのは、どこで磨かれたんですか。

前田 わかんないです。でも、高校と大学はほとんど友達がいなかったので、その反動が今来ている可能性はあります。父親が無口で母親がめちゃくちゃおしゃべりだったから、両方遺伝しているのかもしれないですね。高校と大学のときは父親の部分が出て、今は母親の部分が出ている。

大山 そんな遺伝あんのかよ? 大体片方に寄るんだぞ!

なぜか増え続ける大山アンチ

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――番組を始めて反響はどうでしたか。

大山 俺は初めてアンチの存在を味わいました。

前田 僕のアンチは全然増えなくて、大山アンチだけどんどん増えてます。

大山 それはおまえのせいだろ? こいつがTwitterからアンチコメントを拾ってきて番組で読み上げるもんだから、それに喜ぶ悪いヤツがどんどん現れちゃって。

――番組を始めるまでアンチはいなかったんですか?

前田 どっちかっていうと僕のほうに「おまえ、アイドルに近づくために芸人になったんろ」みたいなアンチがいたんですよ。でも、そういう人たちがどんどん消えていって、今、大山アンチだけが残ってます。

大山 おまえのアンチが俺に切り替わったわけじゃねえだろ。じゃあエロゲオタクが相方を攻撃するかというと、そういうことはしないんです。エロゲ業界は景気が悪くなったことで、濾されて濾されて質のいいオタクしか残ってないんで。全盛期はもっと治安悪かったんですけどね。

前田 悪いヤツが一掃されたんだ。歌舞伎町みたいに。

大山 別に警察入ったわけじゃないから。俺は仲間からこいつに言ってほしい気持ちもあるんですよ。こないだ番組のゲストで来てくれた松崎(克俊)さんがかましてくれないか期待してたら、結局俺と揉めたんです。松崎さんは抜きゲー派で、シナリオゲー派の俺をエロゲーマーとして認めないという話になって。結果的に抜きゲーマーから俺が結構食らったりしてます。

前田 エロゲオタクからもやられている。内戦だな。大山は芸人のアンチも増えてるんですよ。

大山 裏で揉めたりするとき、相方はボソボソしゃべるから声量が小さくて、俺はそれに比べたらでかいんですよ。それで俺が相方にめちゃくちゃかましてるように聞こえるらしくて、芸人に嫌われだしてるんです。評判が悪くなってから、「大山さん、今、芸人に嫌われてますよ」と教えられて、「こいつ、やりやがったな!」っていう。ずっと頭を回転させて、俺を悪く見せようとする努力をしている。今、エロゲにも芸人にも味方がいなくて、四面楚歌です。

――そもそも大山さんは不利なんじゃないですか。前田さんがエロゲーマーをいじってきても同じようにアイドルファンの悪口は言えないのでは?

大山 もちろんそれはあります。こいつが攻撃されてた時期を見ててアイドルオタクはやばいなと思ってるので、あんまり言わないようにはしてます。

前田 こっちを敵に回したら何十万人で攻撃できるんで、自分の中で優位性はあります。秋元康さんからしたら、おまえなんか一撃だから。ハナクソ以下だから。

大山 なめんな! こっちだって田中ロミオさん(編注:ゲームシナリオライター、小説家。ライトノベル『人類は衰退しました』などでも知られる)がいるから! 今俺はエロゲ業界がバックについてるからな。マジで一緒だからな。アイドルオタク全員は難しくても、こいつ1人だったら俺がなんとか潰しますよ。おまえ終わるぞ。

前田 いや、エロゲなんて弱いから。警察に連絡すればすぐ摘発される。

大山 ふざけんな。ちゃんと合法でやってんだよこっちも。そもそもオタクというくくりでは一緒じゃないですか。ある種、仲間の部分もあるから、お互いを傷つけ合うことにメリットはないと思ってます。

前田 俺は撮り鉄は仲間だと思ってないけどね。

大山 ここにいないヤツの悪口言うな!

意外とNGの多い前田は「せこい」

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――アンチが増えた一方で、熱いリスナーも増えていますよね。何が刺さっていると思います?

前田 「人の不幸は蜜の味」というか、自分たちよりダメな奴らがいることに安心感を覚えるんじゃないですか。セーフティネットみたいな。でもたしかに、ネタは見たことなくてPodcastだけ聞いたことある人が増えてるみたいですね。

大山 それで劇場に来てくれてる人もいます。爆裂に人気が出てる自覚はないんですけど……。

――そうなんですか。仕事増えてません?

大山 マジで増えてません。

前田 そんなに変わってないと思います。

大山 週5でバイトしてるときもあったりして、その回は話すことが何もないですね。ほかの芸人さんのラジオを聞くと、仕事の話が最低1個はあったりするじゃないですか。でも俺ら、仕事の話をほとんどしていない。

前田 オタクの話ばかりですね。

――いわれてみれば、「今週こんなことがあった」というエピソードトークが少ないですね。

大山 こいつ全部をさらけ出してる雰囲気なのに、 意外にNG多いんですよ。ラジオだけじゃなくライブでも俺が「この話していい?」と事前に聞くと、結構止められたりします。今それにイラついていて。

前田 自分にマイナスになることは嫌なんで。

大山 せこい。「その話をされたら何も返せない。黙秘するけど」みたいな脅しをするんですよ。言ったら言ったで、「なんで言ったんですか」って裏でうるさいし、そのくせ俺が言ってほしくない話を許可もなくガンガンするんで、割に合っていない。最低の男なんですよ、こいつは。だとしたら俺も今後するからなって話ですよ。××の話や×××を××になった話をしていいんだな?

前田 うん……。

大山 これだよこれ! 黙秘するんです。

――二人のやり取り、回を重ねるごとに調子が上がってません? どんどん大山さんが荒ぶって、前田さんの攻撃も鋭くなっているような。

前田 僕はだんだん発言に気をつけるようにはしてるつもりなんです。余計なことを言わないようにしようと。

大山 最初の頃は本当にやばいことを言ってて、ようやく聞かれてる自覚を持ち出したんでしょうね。そういう意味では、抑えたほうが調子いい可能性はあります。

前田 危ないことを言うと「バキューン」の音が入ることを学んだので、これぐらい言っても大丈夫という感覚も身につきました。

――シシガシラの脇田さんが、番組の前田さんを「世界線が違うビートたけしだ」と絶賛していて、好き放題毒づくという点ではたしかに通じるものがあるなと。

大山 たけしさんはもちろん素晴らしいですよ。でも、時代が違いますからねえ。

――昔のたけしさんは、それこそ「バキューン」が入るようなことを平気で言ってましたもんね。

大山 それができない時代にやってるんで、逆行してるんですよ。

前田 そうだな。フライデー襲撃事件とかできないもんな。

大山 誰連れてくんだよ! おまえ仲間いねえだろ。

ランキング上昇はうれしくても地上波は不安大

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――そして、初月は4位スタートだった『N93』のランキングが、翌月から2位に上がりました。

前田 居心地悪いです。

大山 フォロワーの数も最下位からスタートしてるので、最初に4位だったときは、「5位じゃなかったんだ。熱いな」みたいな感情だったんですよ。それが2位になって焦りが生まれましたね。過去回を聞かれるのが怖くて、青ざめた記憶があります。

前田 見たことない深海魚が東京湾の浅瀬に出てくるような感じで、絶対騒がれるじゃないですか。

――きしたかのさんの『ブタピエロ』(『N93』月曜担当)は不動の人気ですが、カラタチさんの1位もない話ではないと思うんですよ。ファンが奇跡を見たくて盛り上がったりしたら。

大山 ジャイアントキリングみたいなやつですね。そうなったら逆にやばいなという……。ラジオのイメージって生放送じゃないですか。でも俺は録音だけは譲らないという考えなんですよ。とんでもないシーンが流れてしまう可能性があるので、劇場の主催ライブも配信NGにしてますからね。もうちょいこいつがレベルアップしてから地上波に出ていきたいです。『N93』の年間1位になって地上波枠をもらえたら適応できますか、あなたは。

前田 できますよ。

大山 面白さを保ったまま、発言に気をつけることができる?

前田 できますできます。

大山 こいつはやばいとき、口数が少なくなるんです。今めちゃくちゃ調子悪くなったんで、多分できないですね!

――大山さんの目標は?

大山 番組を通して、世間が抱いているエロゲーへの誤解を解きたいですね。やってない人にも伝わるようにわかりやすくエロゲーと言ってますけど、本当は恋愛シミュレーションゲームであり、美少女ゲームなんです。その誤解が解けたら、俺は番組終わってもいいと思ってます。

前田 エロゲーという名前の時点で誤解が解けることはないだろうけどね。もう「エロ」って言ってるんだから。

大山 余計なこと言うな! やってやるからな俺は!

(編集/斎藤岬)

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■プロフィール

カラタチ
大山和也(1988年10月4日生まれ、群馬県出身)と前田壮太(1987年10月18日生まれ、宮崎県出身)のコンビ。NSC東京16期の同期として出会い、2010年結成。Wオタク漫才で2年連続『M-1グランプリ』準々決勝進出を果たしている。
https://twitter.com/karatatimaedaky
https://twitter.com/kantarou4279

■番組情報
『N93 カラタチの最果てのセンセイ!』
配信:毎週木曜19時
今年4月からスタートしたPodcast『N93』の1番組。『N93』では若手芸人5組がTBSラジオの地上波枠を目指し、PodcastやYouTubeの再生数等をポイント化して競う。年間を通してもっともポイントを獲得した番組は地上波枠を勝ち取ることができる。
https://cms.megaphone.fm/channel/TBS1798776830
https://twitter.com/N93_saihate

鈴木工(ライター)

ライター。「Quick Japan」「芸人芸人芸人」などでお笑い芸人関連のインタビューや記事を執筆。また、「プレジデント」では編集を担当する。

Twitter:@7142128354249

すずきたくみ

最終更新:2023/07/29 19:50
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