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本多圭の『芸能界・古今・裏・レポート』

ワタナベエンタ所属アイクぬあらの性加害をスルーする、マスコミの変わらぬ体質

ワタナベエンターテインメントHPより

 連日のようにメディアを賑わせている、故・ジャニー喜多川氏の性加害問題。目下、被害者救済のためのジャニーズ事務所の対応に注目が集まっているが、他方、同じく芸能界に大きな影響力を持つ老舗大手芸能プロ「ワタナベエンターテインメント」(ワタナベエンタ)が関係する性加害疑惑は、スルーされている。

「お笑いユニット『超新熟』のアイクぬあらの性加害報道です。先月、『おはスタ』を突然卒業し、なにごとかと思ったら、その直後に、未成年の“おはガール“の1人を自宅に連れ込んでいたことが『文春オンライン』で報じられました」(中堅プロマネジャー)

 8月28日、テレビ東京系の子ども向けバラエティ番組『おはスタ』(月~金曜前7・05)の公式SNSが、それまで約7年間レギュラーを務めたアイクについて、25日をもって卒業したと発表。突然の発表に世間が驚くなか、翌29日、「文春オンライン」の報道で、未成年の共演者“おはガール“を自宅に連れ込んでいたことが明らかになった。

 「アイクは “私は誓って指1本触れておりません“と頑なに否定していましたが、『文春オンライン』は、アイクから性加害に遭ったという20代女性の告白記事を掲載しました。今後も、続報、つまり他の被害者が続くのではないかと予想されます。所属の『ワタナベエンタ』は、3年前に役員のセクハラ行為が問題になったばかり。責任は重大ですよ」(前出の中堅プロマネジャー)

 ワタナベエンタは、故・渡辺晋さんと妻の美佐さんが設立した渡辺プロダクションからスタートした老舗芸能プロダクション。昭和40年代は“ナベプロ王国“と呼ばれ、権勢を振るっていた。

 「当時のナベプロ王国はジャニーズ事務所以上に強大でした。王国が崩壊した後も、晋さんが日本音楽事業者協会の初代会長を務めたこともあって、芸能界に大きな影響力を持っていました。娘である渡辺ミキ・万由美姉妹が代表を務めるワタナベエンタとトップコートはグループの中心企業で、一目置かれています」(芸能関係者)

 ワタナベエンタには、山田裕貴、志尊淳といった今勢いのある若手俳優ほか、ホンジャマカ、ネプチューン、アンガールズ、立川志らく等、吉本興業に負けず劣らずお笑いタレントや芸人が所属。

 テレビ局への影響力の大きさでも知られ、最近では、お茶の間にそれほど人気があるとは言えないお笑いコンビ「ハライチ」をフジテレビ系昼の情報番組『ぽかぽか』のMCに起用させている。

「事務所の中で隠然たる力を持ってメディアを牛耳ってきたのが、当時、常務取締役だったO氏でした。ところが、3年前に『文春オンライン』に、O氏自身がプロデュースした若手男性アイドルに対するわいせつ・悪質セクハラを報じられたんです」(芸能ライター)

 O氏からセクハラ被害に遭った男性は、「文春オンライン」に「夢への一番の近道はとにかくプロデューサーに気に入れられることだと思っていたんです。だから“マクラ(営業)”的な言動も仕方ないと思ってました」と語っている。
 
「これは、ジャニー氏の性加害の構図に酷似しています。にもかかわらず、テレビも新聞・スポーツ紙も『ワタナベエンタ』に忖度してスルーしたんです」(芸能ライター)

「文春オンライン」の報道を受け、同社はO氏を役員から解任し、停職処分としたが、それからわずか3年後に、アイクぬわらの性加害が明らかになったことになる。

 「『文春オンライン』によれば、アイクは“俺は(お笑いコンビの)おぎやはぎさんと仲がいいから”などと言ってナンパした女性を安心させて、バーで多量の酒を飲ませて泥酔させ、無理やりキスなどを強要したそうです。また、それ以前にも、自宅を訪れた別の女性2人に露出させた性器を触るように要求していたと報じられています。ワタナベエンタも、3年前のことがあるので、こうしたスキャンダルには敏感になっているかと思ったのですが……」(女性誌記者)

 そのワタナベエンタは、「文春オンライン」の取材に「(車内でのセクハラ行為について)LINEやタクシー会社などからの確認を行った結果、弊社としては犯罪行為は認められなかった」と否定しただけ。

 ある芸能ライターは、「アイクの性加害疑惑を、大半のメディアがスルーしています。実際、テレビの情報番組では一切、触れていません。ジャニーズ事務所とメディアの癒着構図を批判され、各局、反省の弁を述べたばかりなのに、です」と憤る。

 現在、ジャニー氏の性加害に事実上加担したことについて、大手メディアはこぞって反省の色を見せているが、アイクのセクハラをスルーする様子を見ていると、そうした懺悔が空々らしく感じられる。

 ちなみに、アイクに名前を利用されたおぎはやぎの矢作兼に関しては、「名前を利用されていい迷惑でしょう」と同情する声がある一方、矢作が自身のラジオ番組で、アイクに「説教した」としながらも、「アイクのやったことは本当か嘘かわかないけど」と前置きしたうえ、「“指1本触れてないから”というけど、触れてたらもう3アウトチェンジ。触れてないから1アウトくらいかな?」とコメントしたことで、“友人であるアイクを擁護しているようで、ガッカリした”などと失望の声があがっている。

 ジャニーズ事務所にばかり矛先が向けられている現在だが、アイクの性加害疑惑も、しっかり追及すべきだろう。

(文=本多 圭)

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2023/09/23 15:00
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