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令和ロマンが『ABCお笑いグランプリ』を制圧! 『M-1』連覇に向けて視界良好【後編】

GettyImagesより

(前編はこちら)

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 令和ロマンは昨年『M-1』準決勝の「猫の島」。ものすごい貫録だし、ずっとヒールに回りながらこれだけ笑いを取ってくるのだから、やはりネタ中には「反則だろ」と感じてしまうほど。強すぎるという印象しかない。

 その印象をひっくり返してきたのが2番手のかが屋。芝居だけで客席からクスクスを引き出せる賀屋の演技力と、真骨頂ともいうべき等身大の世界観。「意外と5分たってないんだ」というオチセリフのセンスも、ワンシーンワンカット映画を見た後のような満足感を残した。この2つを比べなければいけないのか、という審査員の苦悩が伝わってくる。

 さらに、フースーヤが期待通りの混沌を呼ぶ。いつ、どんなステージでどんな出順でも最高出力をたたき出すコンビだが、今回は貫録の令和ロマンと完成度のかが屋に続いて出てくるという出番も、今回のフースーヤが鮮やかに映えた理由だろう。できる限りのことをやって散る姿もまた、賞レースの美しさだ。

 2018年に『ABC』を制したファイヤーサンダーになぞらえて、ワタナベエンターテイメントでは無名で『ABC』を勝つことを「ファイヤーサンダーする」と呼ぶとか。ぎょねこのネタはそのファイヤーサンダーが6年前に披露した「KPKDBF」を思わせるホワイトボードネタ。語呂合わせを、より面倒にするという大喜利的な発想と、それを実行可能な形に作り上げる執念を感じさせた。

 令和でも仕方ないが、かが屋を行かせたい。そんな気分だった。

■最終決戦

 ネタ順は、令和ロマン、青色1号、ダウ90000。

 令和ロマンは昨年の『M-1』ファーストステージ、最終決戦、『ABC』のブロック、最終決戦とすべてトップバッターで、結果優勝している。恐ろしい。

 事後配信番組でくるまは「コントの完成度には敵わないのでアホをやった」と語っていたが、今まで見た中でもっとも悪ふざけなネタだった。ケムリの父親が有名になったということがフリになっているので、「大和証券の重役の家ってこんな感じなのか」というバカバカしさも乗っかっている。パフォーマンスは完璧ではなかったと思うが、『M-1』王者ががむしゃらに『ABC』を取りに来ているという姿が見られて感動的だった。

 逆に、完璧なパフォーマンスだと思わせたのが青色1号だった。上村のワンマントリオだったころの印象は完全に払しょくされ、3人の役割が3人とも立っている素晴らしいネタだった。ファーストでの志らくの「東京03みたい」というコメントには首をひねったが、この2本目には確かにその匂いが感じられた。

 ダウの2本目は、シンプルに8人であることが不利に働いたと感じた。情報が伝わる前に話が進んでしまっている。8人であることというより、4分きっかりに収めるという蓮見の律義さが裏目に出たというか。批判覚悟であと30秒使ってしまったほうが笑いは大きくなったに違いないが、コントの大会だからネタ時間を必ず守るというのも、蓮見にとっての大切なこだわりなのだろう。カッコいいな、そういうとこ。

 優勝はもしかしたら青色1号がまくるかと思ったが、僅差で令和ロマン。一昨年はカベポスター、昨年はダブルヒガシに敗れて準優勝だった令和ロマンは今年も負ければ来年も出てきたに違いない。ラストイヤーの青色1号には申し訳ないが、大会にとってはこの結果がよかったのではないか。

 今回、力ずくで『ABC』を制圧した「害悪」は年末、『M-1』に帰ってくる。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/07/07 19:01
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