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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.589

青春の終わりをピンク映画スタイルで描いた81分 主演女優・川上奈々美が愛おしい『東京の恋人』

文=長野辰次(ながの・たつじ)

 

『全裸監督』(19)での熱演が印象的だった川上奈々美主演作『東京の恋人』。本作でも出し惜しみのない演技を披露している。

 セクシー女優として人気の川上奈々美が主演した映画『東京の恋人』は、甘くせつないダブル不倫の物語だ。ヒロインは結婚し、妊娠もしている。ずっと引きずってきた青春の思い出にお別れするために、昔の恋人に会って、久々にセックスする。そして、元恋人とも青春時代ともさよなら。本作がデビュー作となる下社敦郎(しもやしろ・あつろう)監督は、ピンク映画を思わせる様式の中で青春時代の終焉をくっきりと描いてみせる。

 川上奈々美は昭和のアイドルっぽい顔立ちで、親しみやすさを感じさせる女優だ。しかも、脱ぎっぷりがいい。Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』(19)の第4話では、村西監督(山田孝之)から「ロボットみたいな表情だ」と酷評され、前貼りなしで本番に挑むAV女優役を熱演。ピンク映画『青春のささくれ 不器用な舌使い』(18)では、大学の先輩を一途に想う女子大生を好演し、翌年のピンク大賞主演女優賞に輝いた。一般映画となる本作でも、音楽と映画の祭典『MOOSIC LAB 2019』長編部門の最優秀女優賞に選ばれている。

 物語は男性主人公・立夫(森岡龍)の目線で始まる。立夫は大学時代に自主映画制作に熱中し、大学卒業後も映画監督を目指して東京でビンボー生活を送っていた。そんな立夫も30歳となり、妻(階戸瑠李)の父親が経営する会社に勤め、今は群馬で暮らしている。もうすぐ子どもが生まれる予定だ。そんなとき、立夫のスマホに着信が入る。大学時代に付き合っていた満里奈(川上奈々美)からだった。東京で久々に会わないかという。妊娠中の妻には出張だと嘘をつき、立夫はいそいそと“東京の恋人”に会いに出掛ける。

 満里奈は結婚していたが、久々に会うとやっぱりいい女だ。もうすぐ20代を終える満里奈は、昔みたいに立夫に写真を撮ってほしいと頼む。海岸や海沿いのホテルで、満里奈を激写する立夫。ホテルの一室でヌードになった満里奈に、立夫の下半身は素直に反応してしまう。当然のように、ベッドで激しく愛し合う2人だった。

 いつも自宅で和食を食べ慣れていると、たまに外で食べるパン食が美味しく感じられてしまう。満里奈の体を貪るように立夫はいただく。妻には頼めないアブノーマルな体位も、満里奈は応じてくれる。ダブル不倫という罪悪感と、このまま田舎で埋もれた一生を送るのかという恐怖心に抗うように、立夫は満里奈の体にのめり込んでいく。セックスの後のまどろみの時間も長回しで撮るなど、2人のベッドシーンが生々しく映し出される。

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