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帝王コロッケが『モノマネグランプリ』卒業−元芸人が触れたエンターテイナー秘話

コロッケとの番組共演秘話−台本通りのゲストいじりで叱られた

 エンターテイメントの世界にいると自分を客観的に見る”客観視”というのは最重要課題となる。自分がどんな表情でどんな動きをしているか、お客さん側から俯瞰で想像することが表現者としては必須なのだ。コロッケさんはその客観視が表現者の水準を遥かに越えており、自分の一挙手一投足を事細かに理解しているのだ。

 これが出来るからこそ「五木ロボ」や「恐竜の真似」がモノマネの域を越えたのではないだろうか。

 なぜここまでコロッケさんに詳しいかというと、実はNHKで放送されていた『にっぽん愉快家族』という番組にレギュラー出演させていただき、一緒に全国各地を回らせていただいたのだ。

 たった一回のゲスト出演ではなく、レギュラーで数年に渡りご一緒させていただいたというのはとても大きな経験で、プライベートでもお食事に連れて行ってもらえるほどのありがたい関係性になっていた。長い時間ご一緒させて頂いたことで多くのことを学び、教えてもらった。とくに僕らが知っているテレビ業界とはまた違ったエンターテイメント界の礼儀やしきたりを教わったことが一番の経験値となった。

 普段のコロッケさんは本当に優しく、ずっと笑っている太陽のような人物だった。そんなコロッケさんに一度だけ叱られたことがあった。

『にっぽん愉快家族』という番組は毎回演歌やお笑い界の大御所がゲストとしていらっしゃり、地方を回りながら地元の方と交流をするという公開番組。ありがたいことに僕は、3つあるうちの2つのコーナーのMCをやらせていただいていた。

 ゲストやコロッケさんなどを抜いたMCと視聴者の方だけのリハーサルを行っていたとき、作家の方に台本に書いてある、とあるセリフを必ず言って欲しいと言われた。それはゲストの方をいじるようなセリフだったのだが、僕は笑いになるならとあまり深く考えずに了承し本番を迎えた。

 本番中その流れになり、さきほど言われた通りそのセリフを発した。その瞬間、コロッケさんがお客さんには見えないように僕にだけわかるように「ダメだ!」というような表情をしたのだ。

 僕は何が起きたか理解できずにいたが、直後に台本の流れに戻り、滞りなく番組は進んだ。

 収録が終わった後にコロッケさんが僕のところへ来て「あれはダメ。ゲストの方をいじるなんてしちゃダメだよ」と仰ってくれたのだ。僕はあの時の表情の理由が理解できた。すぐさま「あれはスタッフさんが……」と言い訳をしてしまったのだが、それに対し「台本に書いてあろうと、スタッフが要求しようと、檜山はMCとして取捨選択しなきゃいけないんだよ。少しでも誰かが嫌な思いをするような事はしちゃダメなんだ」と教えてくれたのだ。

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