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石橋は設楽の能力を見誤ってる?『細かすぎて』と袂を分かった裏事情

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バナナマン・設楽統

 とんねるずの石橋貴明とバナナマンとの間には、微妙な隙間風が吹いている、との説がもっぱらだ。蜜月関係にあると思われた両者に亀裂が生じたとされる根拠は、2022年12月17日に放送された年末恒例の特番『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)で、石橋とアンタッチャブルがMCを務めたことから。もともと、同番組のMCは石橋とバナナマンだったのだ。

 同番組はかつて放送されていた『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジ系)内の1コーナーだった『博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~』から派生したもの。『みなさん~』終了後の2018年から年1回の特番としてスタートし、当初は番組共演でとんねるずと関係が深かった、バナナマンが石橋とともにMCを務めていた。

 バナナマンが同番組に出演しなかったのは22年だけでなく、前年の21年も。一度ならず二度も出演ナシともなれば、石橋との共演拒否を勘繰られても仕方がないことだろう。

 中堅・ベテランの関東芸人にはとんねるずに憧れて芸能界を志した者が多く、バナナマンも例外ではない。前述の『みなさん~』にも数多く出演しており、特に日村勇紀は同番組のドッキリ企画で1500万円のポルシェ、高級腕時計やスーツなど総額2000万円以上もの買い物をさせられ話題になるなど、バナナマンのブレークにとんねるずは一役買ったはずだ。その恩人とも言えるとんねるずの石橋との共演を拒むとは、よほどの事情がありそうだが……。

「石橋との共演に難色を示しているのはバナナマンというより、どちらかというと設楽統なのだと思います。その原因は石橋と設楽、お互いの芸風やキャラクターの相性の悪さにあるのでしょう。とはいえ、決して両者の仲自体が険悪ということではないはず」(同)
 
 現在、設楽はコンビとピンで10本のレギュラーを持つが(特番などは含まず)、そのうちの8本でMCや司会を務める。要は売れっ子であるわけだが、初期のバナナマンはコントライブの評価は高かったものの、テレビ向きではないというのが業界評だった。問題となったのは、設楽の適性が番組制作側には見えなかったことだ。

「設楽にMCの才能があるなんて当時はわからなかったし、そもそも無名の若手芸人にMCを任せるわけがありません。若手の役回りなんて、番組で先輩芸人にイジられるのが関の山。しかし、設楽はイジられ役の“子分キャラ”ではなかったため、番組に出演してもなかなかハマらなかった。かといって、不細工キャラの日村のように分かりやすい面白さもなかったため、若手時代の設楽は“じゃないほう芸人”の座に甘んじていました」(同)

 そんな若かりし頃の設楽を表すエピソードがある。かつて、30代前半の若手だったバナナマンがダウンタウンの冠番組『リンカーン』(TBS系、05~13年放送)に出演した際、設楽は初めて本格的に絡んだ松本人志に「胡散臭くて、腹の中で悪いことを考えてそう」と評されたのだ。

「若手芸人なら、ダウンタウンのような強面の大御所と対峙すれば萎縮するのが普通です。実際に日村はそうだったし、若手のビビリっぷりを面白がるのが番組の企画意図でした。しかし、設楽はダウンタウンに対して横柄な態度を取るわけではないし、丁寧に接していたのですが、画面からは彼らに対する畏怖が伝わってこず、面白さが半減していました。つまり松本は『胡散臭い』と表現することで、当時の設楽に若手らしい子分キャラが備わっていないことを図らずも見透かしたわけです。さすがの慧眼と言うしかありません」(同)

 しかし、自身もMC芸人だけに浜田雅功は設楽の才能を見抜いていたのか、後期の『リンカーン』では準レギュラーながらコーナーMCを担当させるようになる。また、番組終了後も特番として続いた人気企画「芸人大運動会」では、並み居るレギュラー出演の先輩芸人らを差し置いて裏回しを任せたりと、浜田は設楽に全幅の信頼を寄せていた。また、MCとしての評価が定まった近年の設楽は『クレイジージャーニー』(TBS系)で松本、小池栄子とともに司会を務める。さらに設楽は多くの冠番組を抱えるだけに、キャスティングなどの発言力も持っていることが窺える。つまり、現在の彼はダウンタウンも一目置くほどの大物MCということだ。
 
 一方、石橋は根っからの体育会系気質。後輩芸人に対するイジリは苛烈そのもの。『みなさん~』でも日村のように多くの芸人が高額な買い物を強制されたり、有吉弘行やデンジャラスのノッチなどはいきなり石橋にバリカンでもみあげをカットされたりと、後輩芸人への無茶振りで笑いを取っていたものだった。何も知らない芸能人を落とし穴や水中に落とす「全落・水落シリーズ」では、あわや事故といった事態もたびたび起きた。

「あまり面白くならないためか、他の番組ではイジリられる機会が少なかった設楽も、『みなさん~』では構わず石橋に執拗にイジられていました。こうした石橋による若手への傍若無人な振る舞いの背景には、後輩は先輩に絶対服従するものだという体育会系的な価値観があります。令和の時代には全く則さない、昭和的な古い芸風と言えます。しかも石橋本人には悪気がないから、余計に始末が悪い」(同)

 古い価値観に生きる石橋からすれば、先輩と後輩の上下関係は永久に変わらない。後輩は中堅やベテランになっても若手のように先輩の石橋にイジられ、無茶振りをされる。設楽はこれを嫌って、石橋との共演を拒否したのではないか。

「若手時代には許せた石橋のイジリも、大物MCとなった現在の設楽には受け入れられないはず。そもそも設楽自身も石橋同様、“オレ様キャラ”ですからね。本来、相性が良くない。バナナマンが大物にのし上がるにつれて、芸能界における設楽と石橋の力関係が逆転した今ではなおさらです。石橋のことは以前と変わらず尊敬はしているのかもしれませんが、テレビという公の場で石橋の子分のようにペコペコさせられては堪らないでしょう。イメージダウンにもつながりかねませんからね」(同)

 いまや大物MCの設楽は仕事を選べる立場にある。ほとんどの番組でMCなので、トップとして振る舞うことも可能だ。自身より格上である大御所との共演も、ダウンタウンの松本ぐらいだろう。石橋を拒否する一方で松本は受け入れる設楽にとって、両者の違いとは自身に対するリスペクトの有無なのだろう。

 

 

マキタカフミ(ライター)

大分県出身。大学卒業後、金融専門紙記者や経済誌編集者を経てフリーライターに。「週刊SPA!」(扶桑社)、「実話ナックルズ」(大洋図書)、「一個人」(KKベストセラーズ)などに執筆。その分野は経済からエンタメ、グルメまで多岐にわたる。 著書に『神奈川あるある ご当地あるある』(TOブックス)など。

まきたかふみ

最終更新:2023/02/07 13:00
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