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最高に尖っていた品川庄司の若手時代…お笑い芸人が“調子に乗る”理由

最高に尖っていた品川庄司の若手時代…お笑い芸人が調子に乗る理由の画像1
品川祐 公式インスタグラム(@shinashina0426)より

 テレビ業界がYoutubeへ進出し、番組公式チャンネルや何かしらの大会やイベントのチャンネル、そしてテレビとは違う姿が見られる芸人達のチャンネル。日々、バラエティ系Youtubeチャンネルは増え続けている。

 チャンネルの分母が増えると、登録者が分散してしまい、各チャンネルに人気の格差が出てしまうものだが、いまだに人気が衰えず、次々と面白い企画を生みだしているYoutubeチャンネルがある。それは「佐久間宣行のNOBROCK TV」だ。

 このチャンネルは「日本中の面白い人・企画を発掘する」をコンセプトに、テレビプロデューサーの佐久間宣行さんが自ら企画、出演、プロデュースをするYoutubeチャンネルだ。佐久間さんは元々テレビ東京のプロデューサーで『ゴッドタン』や『あちこちオードリー』など多数の人気番組を手掛け『ゴッドタンキス我慢選手権THE MOVIE』では監督を務めた人物なのだ。

 21年にテレビ東京を退社した後はフリーのテレビプロデューサーとして活動し、現在はニッポン放送で放送されている「オールナイトニッポン0」の水曜日のパーソナリティを担当するなど多方面で活躍している。そんな佐久間さんの手掛けるYoutubeチャンネルは、そのコンセプト通り、人気企画を次々に作り出し、知名度を度外視した芸人や若手タレントを起用し金の卵を発掘するという、芸能事務所やタレントからすれば何ともありがたいチャンネルとなっている。

 そんな「佐久間宣行のNOBROCK TV」にお笑いコンビ「品川庄司」が出演したのだ。22日に配信された動画内で「品川庄司 謝りたい人ベストテン」と題し、尖っていた若手時代のエピソードとともに、謝りたい人を明かしていった。

 「品川庄司」さんと言えば確かに尖っているイメージがある。たびたびコンビで大喧嘩を繰り広げたり、若手時代に生意気すぎて現在スタッフさんに嫌われていたりなど、どこまで本当かはわからないが、お二人がというより、特に品川さんの方が尖っていたような印象だ。

 実際僕が芸人をしていた頃、フジテレビで放送されていた「トーキョープラズマボーイズ」というバラエティ番組で一緒にレギュラーをしており、その際にここでは書けないような、かなり尖ったエピソードを目の当たりにしたこともあった。

 「トーキョープラズマボーイズ」は今から20年以上前の2002年に放送していた番組で、当時、品川さんは30歳、そして庄司さんは26歳、ちなみに僕は25歳と年齢的にも芸歴的にも若く、今になって思い返すと、まさに「若気の至り」という言葉がしっくりくるような調子の乗り方をしていた。

 ただ正直、調子に乗るのは仕方のない事だと僕は思う。芸能人は所属事務所の商品だ。どんな商売でも商品は大切に扱うもので、芸能人も例に違わず大切に扱われる。大切に扱うイコール甘やかすというわけではないのだが、厳しくし過ぎるとメンタルがやられて、最良のパフォーマンスを発揮できなくなる可能性が高く、商品の需要が減ってしまうのだ。

 なので所属事務所としてはある程度のワガママは聞き入れたり、機嫌を取ったりして、タレントに気持ちよく仕事をしてもらおうとするのだ。それが俗にいう「チヤホヤ」という見え方になる。大勢の大人たちが自分の為に動き、チヤホヤしてくれるわけだから、よっぽどの聖人君子でもない限り調子に乗ってしまうのだ。ただ調子に乗り過ぎて周りに迷惑をかけるという噂が立つと商品としての価値が下がるので、調子に乗る場所や人物を特定してわきまえたり、調子に乗っていないように見せたりすることにより、大人たちに嫌われないようにするのだ。

 ただ品川さんの場合、「調子に乗る」プラス「若気の至り」プラス「本来の尖り」が混ざり合ってしまい、場所や人物をわきまえず、王様のように振る舞ってしまい、今では笑い話になっているが、若手芸人史上最大に調子に乗ってしまったのだろう。

 しかし調子に乗っている芸人は結構存在しており、それもこれも芸人という職業が他の芸能人と違うスタート位置にいることが原因なのではないだろうか。テレビなどで活躍する俳優さんやモデルさんは、その存在や見た目という持って生まれた才能に商品価値があり、スカウトやオーディションを勝ち上がり、事務所に所属した時点で“チヤホヤ”の対象となるのだ。

 つまり、芸能人になってすぐに“チヤホヤ”されるのである程度“チヤホヤ慣れ”しており、場をわきまえることが出来るようになるのだ。人によっては事務所に所属する以前の一般人時代からチヤホヤされている“チヤホヤサラブレット”も存在しているので、より“チヤホヤ慣れ”しているパターンもある。

 しかし芸人の場合、元々の存在自体には商品価値はなく、長年努力してやっと認められるようになり、テレビに出られるようになって初めて商品価値が出て、ようやく“チヤホヤ”の対象となる。今まで虫けらのように扱われていた状態からチヤホヤになるのだ。そりゃ調子に乗りたくもなるはずだ。さらに元々チヤホヤされるような立場にいる芸人は少なく、人生初のチヤホヤともなると、調子の乗り方は何倍にもなるだろう。なので売れっ子芸人が嫌われて番組が終わっていくということが多々あるのだ。

 こう書くと「調子に乗る」ということが悪い事のように思うかもしれないが、間違いなく芸能人は調子に乗った方がいい。調子に乗るということはイコール自信がつくということ。自分に自信がある人間はとても魅力的に見える。芸能人のオーラや独特な雰囲気はこの「自信」から来るものであることは間違いない。なので一流の芸能人になる為には、オーラを身に纏う為に、一旦調子に乗り、俗にいう「天狗」になる。そして調子づいて伸び切った長い鼻を信頼する誰かに折ってもらい、謙虚さを手に入れて、ようやくオーラがあるけど謙虚でスタッフさんやファンの方に好かれる「一流の芸能人」が出来上がるのだ。

 なので一流になるには間違いなく調子に乗らなければいけないし、挫折しなければならない。よほど才能があって、嫌われてもなんでも重宝され続け、年齢と共に穏やかになるのを待つというなら話は別だが、大抵の芸能人に「一度挫折を味わう」というのはマスト事項だ。

 これは何も芸能人に限ったことではない。皆さんの周りにも仕事が上手くいき「調子に乗っている」若手は必ずいるだろう。そんなときは「調子に乗るな」と抑えつけるのではなく、まずはチヤホヤして若手の鼻を伸ばすと同時に、その若手との絆を作るのだ。そして崩れない信頼感が生まれたところで、鼻を折ってあげる。そうすると仕事が出来、謙虚さを忘れない自信に満ち溢れた仲間が誕生する。

 これが僕が思う「一流の作り方」だ。ちなみに「鼻を折る」のが一番難しい項目だ。くれぐれも一緒に心まで折らないよう用心してほしい。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2023/03/31 08:00
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