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『ダースレイダー自伝 NO拘束』発売記念インタビュー【後編】

「海外アーティストはOKで、電気グルーヴはアウト⁉」ここがヘンだよレコード会社

余命宣告されたダースレイダーの死生観

――最後に、ここ数年、日本におけるHIP HOP黎明期のアーティストの訃報が続いています。MAKI THE MAGICさん、DEV-LARGEさん、そのDLさんの追悼イベントで、さんぴんCAMP並みのプロデュースを再び見せてくれたECDさんも亡くなられました。余命宣告されているダースさんに、死の恐怖というものはないんですか?

ダースレイダー もちろん、常に「死」というのは頭の中にあります。英語で音楽は「playする」ものですけど、その「play」は、日本語だと「再生する」という意味にもなります。再生っていうのは再び生きる、つまり僕らが死んでも再生ボタンを押してもらえれば、いつでも生き返ることができる。だから、僕は今でもたとえばDEV-LARGEさんの曲を聴いて、生き返らせています。生きている間に何か残していれば、なんでも再生できる。大杉漣のDVDを再生するでもいい。それで生き返るんです。

 会えなくなって悲しいとか、新しい曲が聴けなくなって悲しいとかっていうのはあるかもしれないけど、再生することはできる。逆にいうと、死を恐れすぎず、誰かに再生してもらえるような生き方をすれば大丈夫だと僕は思っています。

 人間誰しも、いつ何が起こるかわからない。だから僕の中では起きたことは受け入れて、そうなった時、もし命が尽きた時に、もう一回生き返らせてくれるような関係――それは、卓球さんが言うところの“友達”――が必要ですよね。

 登戸の連続殺傷事件の犯人のように一人の世界で生きていると、再生してもらえない。友達を作らないで一人で生きて、「世の中のすべてが嫌だ」ってやっていたら、本当に死んでしまう。そうならないためにも、再生してもらえるような関係を作ったほうが建設的だと思います。

(取材・文=石井紘人@targma_fbrj)

好評発売中!『ダースレイダー自伝 NO拘束』(ライスプレス社)

最終更新:2019/06/19 13:30
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