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「モラハラのトリセツ」第1回

三船美香、湘南ベルマーレ前監督、織田信成……意外と知らない、モラハラの境界線

イメージ画像(ぱくたそより)

 近年、「モラハラ」という言葉がさまざまな場面で使われるようになりました。三船美佳や米倉涼子のモラハラ離婚を筆頭に、J1湘南ベルマーレの曺貴裁前監督による選手へのモラハラ、最近ではフィギュア・織田信成氏のモラハラ提訴問題などが話題になりましたね。

 言葉自体が広まる一方で、当事者は自身の行為がモラハラだと気づいていないケースが多いのが実態です。実際、パートナーに家を出ていかれて初めて、自分がモラハラをしていたと気づく人も少なくありません。

 DV・モラハラはシステムの問題です。そうせざるを得ない状況に追い込まれれば、誰にでも起こり得ます。「今」DV・モラハラをしないということが「一生涯にわたって」しないという保証にはなりませんし、自分が加害者になる可能性だってあるのです。大事なのは、問題が起きてしまったときに、解決に向けて協力できる信頼関係がパートナーと築けているかどうかでしょう。

 さて、モラハラという言葉は知っていても、その定義や仕組みの理解はあやふやなままの方も多いのではないでしょうか。

 モラハラとはモラルハラスメントの略で、「精神的暴力(精神的DV)」ともいわれています。男女共同参画局のウェブページによると「心無い言動等により、相手の心を傷つけるもの」と定義されており、いくつか事例も紹介されていますが、これだけで理解するのは少々難しいでしょう。

 僕の定義では、モラハラとは「自分の価値観を無理やり相手に押し付けること」で、「わかっていない相手に、自分の正しさをわからせてやろう」という、相手の価値観や感情を無視した行動のこと、価値観を押し付けるために「さまざまな力」を用いてそれを押し通すことを指します。

 筋力や体力差を見せつける、または匂わせるという威圧の力、理論武装で相手の感情お構いなしで言いくるめる力、権威や財力なども、これに当てはまります。相手との力の差を用いた無意識な圧力や脅しであり、これをパワーコントロールといいます。そして殴ったり蹴ったりするなど、直接なんらかの力を行使するに至るのをDV、そこまでに至らないパワーコントロールをモラハラと呼んでいます。つまり、DVもモラハラも根っこは同じなのです。

 「モラハラ=人格否定」というイメージが先行しがちですが、「(相手に)わかってほしい」「わからせたい」が「わからせなければならない」になった時点で危険信号です。

 いわゆる「スイッチが入る」きっかけはいろいろあります。「親としてこうあるべき」「社会人としてこうあらねばならない」という社会規範や常識と呼ばれるものがそこに作用してしまう例は多いです。「男として」「女として」というジェンダー観なんかも影響します。

 「よかれと思ってしたことで、相手が傷ついていた。間違ったことは言っていないのに!」とよく加害者側は言いますが、正しいことなら相手を傷つけないというわけではありません。「みんなが正しいと認めていること」だと思うとブレーキが利かなくなってしまいがちで、前述した「システムの問題」はここにあります。

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