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映画『みをつくし料理帖』公開記念インタビュー!

藤井隆が語る「青春の色合いを変えた」角川映画の真髄と役者

主演の薬師丸ひろ子に主題歌を歌わせる発明

藤井隆が語る「青春の色合いを変えた」角川映画の真髄の画像5
(写真/河西遼)

——「あんなに激しい潮騒が/あなたの後ろで黙り込む」(『探偵物語』)。角川映画には本当に名曲が多いです。

藤井 原田(知世)さんもそうですし、薬師丸さんも渡辺さんも、角川さんが最初、薬師丸さんに「主題歌歌わせるぞ!」ってやられたことは、ものすごく大きなことだったんだろうな~と思いますね。当たり前にいただいてますけどこっちは。それに応えた薬師丸さんもすごいし、そのあとずっと歌い続けてるのもすごい。映画女優さんが歌を提供するというのは、長くフォーマットとしてあると思うんですけど、吉永小百合さんとか。でもなんか、なんだか、それまでとは距離感が違う感じがするんですよね。当時はとても身近に感じていた主人公や物語ですが、30年40年経って再び観たら、めちゃくちゃ遠かったってことに気付くから、だからすごいクリエイティブだなって思うんです。曲も映画も、全部。

——薬師丸ひろ子さんが歌ってらっしゃるのか、映画の主人公が歌っているのか分からない、絶妙なラインで観客を魅了してらっしゃいました。

藤井 「エンディングにかかる」ってことが条件で作ってるはずだと思うんですよ。だからその作品に対してのアンサーが歌の中にある。でも渡辺典子さんの『いつか誰かが殺される』の中の『いつか誰かが…』という曲は、映画の中で挿入歌として使われるんですね。あの歌を歌っている時ご本人は、どういうお気持ちだったのかなとかね、思いを馳せようと思ったらいくらでも馳せられてしまう。

藤井隆が語る「青春の色合いを変えた」角川映画の真髄の画像6
(写真/河西遼)

——藤井さんは音楽の方でも作詞やプロデュースをされていますよね。角川映画の影響が、ご自身の音楽性にも出てらっしゃるのかなと思うのですが。

藤井 うーん……どうでしょう……すごく難しい質問ですね。一つのことに、ジャンルに括られてないのが角川映画だと思うんです。毎作毎作違ってるのに、でもカラーはしっかりとある。それを大雑把にまとめて魅力を語ったり。一括りにして「尊敬してます」っていうのは、僕の言葉としては言いにくいですね。そういう風には思ってないし、そういう点で影響されてるとは思ってないです。

——「角川映画」とひとくくりにできないところが、角川映画の魅力ということでしょうか。

藤井 もっと詳しく全部を好きな方がいらっしゃる以上、僕の好きや知識はグラフにするとでこぼこしてると思うので。じゃあ『麻雀放浪記』のこと喋れるのかって言われたら喋れないですし。映画館では観てますが。なんかこう、でこぼこしてるものを総括して「自分に影響を与えてます」っていうのはちょっと言いにくいかな。責任取れないというか。

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