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菅義偉首相、犬猿の仲だった小池百合子東京都知事を取り込み“内閣延命”へ

犬猿の仲だったがーー小池東京都知事、国政復帰を狙う菅首相の胸算用

 今の菅を見ていると、村人の命をかたにとって丁半博打で勝負しようとしている三下ヤクザのようだ。とても一国のリーダーのやることではない。

 まだ東京五輪開催まで1カ月近くある。酒なし、無観客、そして開催中止に追い込まれる前に、自ら止めると宣言する勇気を持つべきだと思う。

 小池都知事が過労のため入院したが、当初の予定よりも長引いているため、様々な憶測が飛び交っているようだ。

 ポストによれば、自民党二階派幹部は、知事公務復帰後の小池氏の動きをこう見ているという。

「小池が悪あがきしても都議選の劣勢は簡単に覆せそうにないし、都民ファの候補を応援すればするほど都議会自民党の恨みを買う。転んでもただでは起きない小池は、この際、体調がすぐれないことを理由に都議選から距離を置き、都民ファから距離を置き、都民ファ惨敗のダメージを最小限にするつもりではないか。五輪が終われば小池は都知事の地位に未練はない。都政で苦労するより、五輪成功の実績を手に国政復帰を窺っている」

 もう御年67歳、今から国政へ復帰して総理を狙うには年を取り過ぎているとは思うが、小池には年という考えがないのだろうか。

 小池の国政復帰を後押しするのが菅首相だというのだから驚く。これまで犬猿の間柄とされてきたではないか。

 小池はこれまでも何回か菅と会ってはいるが、入院する直前の6月19日には初めてプライベートな空間である「首相公邸」で約1時間にわたって五倫の運営について話し合ったというのだ。菅の側近がこう話す。

「総理の小池に対する評価が変わったのは最近です。パフォーマンス好きの小池が国民の五輪批判に便乗して“五輪中止をぶち上げるんじゃないか”という心配があったが、小池は軽挙妄動せずに総理の開催方針についてきた。いまや2人は五輪では運命共同体。警戒心の強い総理は小池を決して信用はしていないが、利用できるカードと考えている」

 また運よく、国政転出を窺う小池に都合がよいことに、次の総選挙では東京に自民党の空白区ができたのだ。

 公職選挙法違反で議員辞職した菅側近の菅原一秀元経産相の選挙区の東京10区だ。小池の衆院議員時代の選挙区の隣で、地盤も重なる。

 菅原は3年間の公民権停止処分が確定して次の総選挙に出馬できないため、公認権を持つ菅総裁と、小池氏と関係がいい二階幹事長のオーケーさえあれば、自民党公認で出馬できる状況なのだ。

 よく知られているように、菅の生存戦略は、五輪をなんとしても成功させ、9月の自民党総裁選挙を実施せずに無投票再選へ持ち込むことだ。

 だが、安倍前首相や麻生太郎、甘利明などがすんなり認めてくれるかは未知数である。

 そこで、よくも悪くも知名度の高い小池を取り込み、オレを引きずり下ろすなら子分の河野太郎行政相や小泉進次郎環境相を小池と組ませて、対抗するぞと牽制することで政権の延命を図ることを考えているとポストは見ている。

 だが、小池のようなオールドタイマーが切り札になるとは、私にはまったく思えない。

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