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ダウンタウン松本「スベる」だけじゃない−芸人の言葉はなぜ一般に浸透したのか?

松本さんは芸人として言葉を使うセンスが誰よりも長けている

 それは単純に、だれでも使いやすいからだ。

 芸人というのは如何に人を笑わせるかを考えるもの。人を笑わせるときは、説明をいかに短くし、なるべく端的に相手に伝えなければいけない。説明が長いとオチが読まれてしまったり、逆に説明が短いと理解されずに笑いにならない場合がある。

 それなのでお笑い芸人が使用する言葉は基本的に「説明がいらず、その言葉だけで十分ニュアンスも意味も伝わる」ものが多いのだ。

 この「説明いらずに伝わる」言葉はお笑い芸人に限らず、世間一般でも使いやすい「便利な言葉」ということになる。これまで伝えることば難しかったニュアンス重視の言葉だったものが「便利な言葉」が生まれたことにより明確に伝えられるようになる。

 さらに芸人やタレントが使う言葉はどこかポップで良い雰囲気もあり、若者はそのポップさから、年齢層が上がってもその便利さから使うことになり、世間的に広まるのは至極自然なことなのだ。

 この法則を鑑みると、より多くの言葉を生みだした松本さんは芸人として言葉を使うセンスが誰よりも長けており、さらにその時代の最先端を走っていたということだ。

 今は情報や流行を発信するメディアがひとつではない。世代や地域、個性によって取捨選択する幅が広がっており、かつてのように老若男女が使用する言葉は生まれづらくなっている。

 しかしその分局地的な言葉が多く生みだされるのは間違いなく、その数多の言葉たちを上手く操り流行りに流されず自分を表現するのも現代ならではなのかもしれない。

 

 

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2022/11/13 09:00
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