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文春は孤軍奮闘…ジャニー喜多川氏の性加害問題と日本メディアの体たらく

志村けんの遊び方「自分の子どもを産んで欲しい」

 今週の最後は、稀代のコメディアン、志村けんの話である。
 志村けんが亡くなってから3年が経つ。
 亡くなってから、より芸人としての評価は上がり、喪失感は日増しに強くなっていっているような気がするのは、彼の人間的な魅力も大きいのだろう。
 志村自らも語っていたように、酒と女性をこよなく愛した人生だった。高校2年の時、付き合っていた同級生の彼女を家に呼び、ビートルズの『愛こそはすべて』を聞きながら初体験をした。ドリフの付き人になっても食えない彼を支えたのも彼女だったが、妊娠したことで気まずくなり、親から100万円を借りて渡して別れてしまった。
 以来、「夢中になっている期間は、だいたい1年ぐらいだろうか。蜜月期間を過ぎると、少しばかりうっとおしくなってくる。オレは仕事を家に持ち込むほうだから、『ネタを考えなきゃならないんだよ』と言い訳しつつ、距離を置くようにする。そして、『なんか違うな、そろそろ潮時かなぁ』という気分がお迎えに来る頃には、次の彼女の目星がつき始めている」(『志村流 あそび術』マガジンハウス)
 週刊誌に報じられた女性だけでも相当な数になる。新潮では、志村とガールズバーで知り合い、志村に27人女性を紹介したという佐藤結衣(28=仮名)が、思い出を語っている。
 志村と出会ったのは2017年の年明けだったという。志村が遊びの根城にしていた麻布十番だったという。
「そこは志村さんが行きつけにしていたお店でした。2017年2月、スタッフとして入った初日の22時頃、志村さんがおひとりで来店されたんです。私は志村さんのファンだったので“本当に来た”と感激でした」
 志村はほろ酔いだったという。
「新人なので、志村さんをいきなり担当させてもらえるわけもなく、“新人が入りました”とほかのスタッフから紹介だけしてもらいました。その後、一番下っ端だったので、2階のトイレ掃除をしていたら、突然志村さんが入ってきて、私のほっぺを両手で持った状態でチューしてきたんです」
 突然のことに驚く彼女に「連絡先を教えて」と携帯電話の番号を交換すると、すぐに食事の約束をして、2人は急速に接近していったそうだ。
 志村のデートの定番コースは、麻布十番のリクラゼーションスパから始まる。最初のデートは、そこの個室で相撲中継のテレビを見て、そこからすぐ近くにある高級焼き鳥屋に行った。
 何度かそういうことが続いたが、ある時、志村からこう叱られたという。
「スパに来るのにどういうことだ」
 つまり、志村にとってはスパの個室は男女の関係を結ぶ場だったのに、彼女はそういうものはホテルでするものだと思ってやんわり断っていたのを、志村は怒ったというのだ。
 男女の関係になってから、志村のマンションに連れて行ってもらうと、
「そこで“ツーショットを撮ろう”とキスしている写真を撮り、“子供が欲しい、産めますか?”と聞かれて“産めます”とお答えしました。志村さんはごはんを食べる度に“結婚したい”“子どもが欲しい”と話していたので、そう答えたらとても喜んでいました」
 だが、お客と店外で会うのはコンプライアンス違反だと、店のオーナーに見つかって激怒され、店をやめたため、志村との結婚話も男女関係も終わってしまったという。
 彼女は、志村との関係を継続したかったため、ある提案をしたというのだ。
「志村さんには最後まで内緒だったんですが、私はVIPに女性を紹介する交際クラブに籍を置いていました。そこで、志村さんに知り合いの女性を紹介するようになったんです。2017年の春から亡くなるまでの3年弱の間、3カ月から半年に一度のペースで合計27人ほどの女性を引き合わせました」
 女性を紹介する際は、佐藤が2、3人の女性を連れてカフェで待ち合わせ、志村が気に入った子を誘ってスパへ向かうという段取りだった。
 その後、食事をする店で佐藤たちと合流する。女性たちには食事代のほかに交通費として2万円を帰り際に渡したという。
 志村が入れ込んでいたのは、佐藤結衣と、彼が死ぬ直前に紹介した女性だったそうだ。2人に共通していたのは、「自分の子どもを産んで欲しい」と言葉をかけ、「産みます」といってくれた女性だったという。
 志村は、結婚をする気はないと公言していながら、子どもを産んでくれ、子孫を残したいという欲求は強かったのだろうか。
 さまざまな女性たちと浮名を流した志村だったが、大きなトラブルに発展することはなかった。それは、彼の女性への接し方にあると佐藤は話す。
 香水を使っていないのに体からいい匂いがした、加齢臭が一切しなかった。一緒に酒を飲むときも、「君が飲めるんだったら嬉しいな」と気を遣い、帰る時も事前に約束していた時間に必ず帰す。冬場で寒いときは、至近距離でも駅まで愛車のロールスロイスで送ってくれたという。
「女性には“家に着いたら連絡しなさい”と伝えていました。女性が着いた旨をLINEすると“よかった”と返信してくれる。普通の男性でもやらないですし、芸能人ならなおのことです。女性はみな感激していました」
 優しさの裏にある彼の孤独がわあかるような気がする。(文中一部敬称略)
 
 
 
 
 

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2023/04/04 19:00
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